2007年12月4日(火)10:58
ブリュッセル/リュブリャーナ(AP)
欧州議会のマルティーン・シュルツ社会民主党議員団長は、キリスト教民主同盟(CDU)が新たな基本綱領でトルコのEU加盟をあらためて拒否したことを厳しく批判した。CDUの党首を務めるアンゲラ・メルケル首相はこの綱領で「自らのEUでの重みを失う」恐れがある、とシュルツ議員団長は滞在先のリュブリャーナで、AP通信の電話インタビューに答えた。
「CDU党首としては自らの支持基盤のご機嫌を伺えて満足かもしれない」。「しかし連邦首相としてはこの見解で政権内の多数支持を得ることはできず、あわせてEUにおける自らの重みを失う恐れもある」とシュルツ議員団長は広報官を通して伝えた。
CDUは新しい基本綱領の中で、トルコに対してEU正式加盟の代わりに「特権的パートナーシップ」を提供することを主張している。特権的パートナーシップは、すでに数年前からCDU・CSUの公的見解となっているが、メルケル党首はドイツ連邦首相としてとして、これまでトルコとの加盟交渉を阻止することはしていない。首相として前任のゲルハルト・シュレーダー前首相がEUレベルでともに加わったトルコとの加盟交渉開始という決定に拘束されているのである。しかし加盟交渉は文字どおり結果を約束せずに進められている。
シュルツ議員団長は、CDUの基本綱領は「誤ったメッセージ」を送ることになる。「国民の大多数がイスラムのトルコが、西欧の価値体系と欧州の社会モデルを実現できたならば、トルコは平和と安定にとっての好機となる」と強調した。
原題:Schulz kritisiert Nein der CDU zu Tuerkei-Beitritt