2008年12月3日(水)

EUは「東欧パートナーシップ」を始動

AFP

欧州連合は「東欧パートナーシップ」により、グルジアやウクライナなどかつてのソビエト連邦の共和国と結びつきを深める意向である。欧州委員会はブリュッセルで、最大6ヶ国の東欧諸国に対する財政援助の倍増ならびに長期にわたるビザや貿易関税の緩和を提案した。しかし独裁政権のベラルーシの加盟には論争が持ち上がる可能性がある。

「そろそろ隣人の東欧諸国との関係に新たな一章を開く時期に来ている」と欧州委員会のベニータ・フェレロヴァルトナー外交担当委員は語った。東欧パートナーシップはウクライナ、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン、モルドバおよび場合によってはベラルーシも含まれる。チェコのEU議長国任期中の4月にもプラハでパートナーシップ創立の首脳会議が開かれる可能性がある。EU各国首脳は来週のブリュッセル首脳会議でこの件を協議する。

EUはパートナーシップ参加国に対し、民主的改革を支援し、エネルギーの確保を保証し、参加国の世界貿易機構(WTO)加盟後は自由貿易圏を形成する意向である。加えてこの地域の安定化も図られる。「グルジアのような危機は欧州の利益に沿わない」と欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は、8月に起きたグルジアとロシアの武力衝突を踏まえて語った。

東欧パートナーシップの創設はポーランドとスウェーデンの提案に基づく。欧州委員会によれば2010年から2013年まで6億ユーロが計上される。これは現行の隣国政策予算の2倍以上となる。東欧パートナーシップは、フランスが7月に発足させた地中海連合とのバランスを図るものである。ただし地中海連合とは異なり、独自の事務局は置かない。

フェレーロヴァルトナー委員によれば、ベラルーシがこのプログラムに参加するためには「まだ課題が山積している」という。それゆえ、14年前から権力の座についているアレクサンデル・ルカシェンコ大統領がパートナーシップ創設の首脳会議に参加するかは分からない。EUはこの10月、ルカシェンコ大統領のEU圏入国禁止措置を解除したばかりである。この措置は、暴力も行使された2年前の大統領再選選挙から講じられてきた。

パートナーシップはEU加盟と結びつくものではない。「当面私たちが加盟提案を行うことはない」とバローゾ委員長はウクライナの要求に対して答えた。委員長はロシアとの新たな対立を回避したい意向である。「このパートナーシップ案はあらたな勢力圏を作ったり、分断線を引いたりするものではない」。EUはロシアと「冷戦」状態にあるわけではない、とバローゾ委員長は語った。

原題:EU bringt "Ost-Partnerschaft" auf den Weg




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