2009年12月8日(火)16:49

EUはトルコにキプロスに対する譲歩を勧告

ブリュッセル(AP)

EUは加盟候補国トルコに対する圧力を強めている。EU各国外相は火曜日に宣言を採択し、トルコがEU加盟国キプロスの船舶や飛行機に対し自国の港や空港を閉ざし続けていることについて「深い遺憾」の意を表明した。「もはやこれ以上遅らせることなく、進展をはかるよう望む」とEU各国外相は勧告した。

しかしこの宣言はトルコに対して直接に影響力を行使するものではない。キプロス政府はトルコ政府との加盟交渉の完全凍結を求めたものの、認められなかった。ドイツのギード・ヴェスターヴェレ外相は、批判はもっともであるが「私たちはトルコを刺激するつもりはない」。むしろEUは「改革路線を進むよう、それもこれまで以上に速やかに集中的に改革を進めるよう」トルコ政府を励ますつもりだ、と自由民主党(FDP)の党首を務めるヴェスターヴェレ外相は語った。

トルコは2005年にいわゆるアンカラ議定書に調印し、EUとの関税同盟を新規加盟国キプロスにも拡大する義務を負った。しかしトルコ政府は、トルコ系北キプロスの地位をめぐる争いが解決しないため、キプロス共和国の船舶や飛行機に対するトルコの空港・港湾の開放を拒み続けている。そのためEUはトルコとの加盟交渉をすでに2006年末の時点で最低限度に制限した。全35の交渉分野中8分野の交渉が停止された。トルコがアンカラ議定書をキプロスにも適用しない限り、この8分野の交渉は開始されない。

マケドニアは進展にも関わらず依然待合室

一方、加盟候補国のマケドニアに対しては称賛の声が上がった。マケドニア政府は「重要な分野において進展」を見せたとEU各国外相は評価した。しかしマケドニア政府が期待する具体的な加盟交渉開始の決定には至らなかった。その理由は、マケドニアとEU加盟国ギリシャとの間の国名問題が解決していないことにある。ギリシャ政府の見解では、マケドニアとの国名は同名のギリシャ北部の州に対する領土要求を含むものであるという。ギリシャはマケドニアが国名問題で譲歩しない限り、EUとマケドニアの加盟交渉の開始を阻止し続けると警告している。

原題:EU mahnt Tuerkei zu Zugestaendnissen gegenueber Zypern




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