2009年12月20日(日)13:07
ベオグラード(AP)
セルビア、マケドニア、モンテネグロの国民は土曜日からビザなしで欧州連合に入国が可能となった。三ヶ国は金曜日の晩、入国ビザ廃止のカウントダウンを行い、盛大に祝った。セルビアのボリス・タディッチ大統領とミルコ・ツヴェトコヴィッチ首相はベオグラードで、セルビアはさらにEU加盟申請も行ったと述べた。モンテネグロとマケドニアはすでにEU加盟候補国である。
EU議長国を務めるスウェーデンのカール・ビルト外相はストックホルムでセルビアの加盟申請を認め、「セルビアにとって歴史的で重要な一歩である」と述べた。私はタディッチ大統領が火曜日にスウェーデンのフレドリク・ラインフェルト首相に正式に加盟申請を手渡すのを待っている、とビルト外相は自身のブログに記した。セルビアのEU加盟希望は、セルビア政府がハーグの国連旧ユーゴ戦犯法廷が身柄引き渡しを求めている戦犯容疑者の全員を逮捕していないため、長らく阻まれていた。
セルビア、マケドニア、モンテネグロに対する他の大方の欧州諸国との同列扱いは、金曜日から土曜日にかけての深夜、花火とコンサートによって祝われた。この晩にも他の数百名の学生とともに短期間隣国ハンガリーを訪ねた、セルビアの国境の町スボティカの学生は「ようやく私たちも自由になった」と語った。
マケドニアの首都スコピエでは巨大な時計が設置され、旅行の自由という新たな時代の到来を告げる残り時間が深夜前に表示された。ベオグラードの祝典ではセルビアのヴク・イェレミッチ外相が「私たちはこの日を決して忘れない。ようやく私たちにも他国と同じ規定が適用されるのだ」と語った。
およそ50名のセルビア人がこの日の晩ボジダル・ジェリッチ副首相とともに、EU本部の所在地ブリュッセルに飛行機で向かった。機内でお祝いのシャンパンを開け、ベルギーの首都で心温まる歓迎を受けた一行は、感激の表情を見せた。
多民族国家ユーゴスラビアが存在していた間は、すべてのユーゴ国民がEUへの旅行の自由を享受していた。しかし1991年のユーゴ解体とそれに続くバルカン内戦の後、入国ビザの義務が導入され、セルビア、マケドニア、モンテネグロに対してはほぼ20年間課せられた。しかし今や旅行代理店は、新年にかけてEU旅行の予約が数多く入っていると伝えている。だが多くの人々にとって入国ビザの廃止は地域全体の貧困のため意味を持たない。「これはお笑いだわ」。「私にはヨーロッパなんて夢のまた夢」とベオグラードの女性イェレーナ・カヴィッチ(42歳)は語る。
一方、ボスニア・ヘルツェゴヴィナとコソボならびにアルバニアに対しては依然ビザ義務が課せられる。
原題:Serbien, Montenegro und Mazedonien feiern Ende der Visumpflicht