2009年12月22日(火)18:35

セルビアは欧州連合加盟を申請

AFP

セルビアは公式に欧州連合への加盟を申請した。セルビアのボリス・タディッチ大統領はストックホルムで、EU議長国スウェーデンのフレドリク・ラインフェルト首相に加盟申請書を手渡した。ラインフェルト首相はセルビア政府にさらなる改革と戦犯容疑者の身柄引き渡しを求めた。こうした事情から観測筋はセルビアのEU加盟には少なくとも10年かかると見ている。

セルビアのEU加盟申請はスロボダン・ミロシェヴィッチ大統領の退陣から9年を経て行われた。ミロシェヴィッチ元大統領はその後国連旧ユーゴ戦犯法廷に起訴され、裁判を受けた。「私たちはすでに10年間民主主義的な生活を送っている」。私はセルビアの大統領として「毎日、毎分」いまだ逃走中の戦犯容疑者の逮捕に全力を尽くしている、とタディッチ大統領は述べた。

ラインフェルト首相はセルビアの「歴史的一歩」を歓迎し、これはセルビア政府の「ひたむきな努力」を示すものだと述べた。一方で首相は、だがセルビアは「改革を完了し、戦犯容疑者を見つけ出す」必要があり、民主主義と市場経済の確立もはからねばならない、と釘を刺した。欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は、セルビアが今の改革スピードを保てば、加盟手続きは10年以内に完了する可能性がある、と述べた。

12月初めの段階でセルビアはEU加盟に向け、大きなハードルを乗り越えた。セルビアに対して、国連旧ユーゴ戦犯法廷に対する協力が不十分と批判していたオランダが、セルビアとEUの自由貿易協定を阻止する姿勢を取り下げたからである。さらに先週土曜日からはセルビア国民に対して、シェンゲン圏へのビザなし旅行が認められた。

2008年4月に調印された安定連合協定が発効するためには、ボスニア・セルビア軍の司令官であったラトコ・ムラジッチならびに自ら宣言したクロアチア内の「セルビア・クライナ共和国」の大統領ゴーラン・ハジッチの身柄引き渡しが必要とEUは要求している。

セルビアのEU加盟申請に対してEU内の反応は分かれた。外交筋によれば、ギリシャ、イタリア、スペインは加盟申請を支持している。一方、ドイツ、イギリス、オランダなどは慎重な見方をしているという。

コソボ問題も揉める可能性がある。セルビア内のコソボ自治州はNATO軍のユーゴ紛争介入後、国連の管轄下に置かれ、2008年2月に独立を宣言した。しかしセルビアは依然コソボをセルビア領と考えており、この問題でロシアからの支持も得ている。「私たちは障害を乗り越える必要がある」。しかしそれは「セルビアがコソボの独立を承認する」ということではない、とタディッチ大統領はストックホルムで語った。

原題:Serbien beantragt Aufnahme in die Europaeische Union




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