2011年12月1日(木)

セルビアの速やかなEU加盟は困難に

加盟展望は「具体的にならず」

AFP

セルビア人のデモ隊がコソボのNATO軍兵士に暴力を振るったことにより、EU加盟を目指すセルビアは大きく後退を余儀なくされる恐れがある。セルビアの「EU加盟展望」はこの事件により「具体的にはならな」かった、とドイツのギード・ヴェスターヴェレ外相(自由民主党FDP)はブリュッセルで語った。オーストリアも、来週セルビアにEU加盟候補国の地位が認められるとは考えていない。

欧州委員会は、セルビアとコソボの摩擦が続く状況にもかかわらず、EU加盟候補国として提案する旨をセルビアに約束した。EU加盟国による承認は当初来週のEU首脳会議で得られる見込みであった。しかし、EUが仲介したセルビアとコソボの協議がセルビア政府により一時中断された後、コソボ北部でセルビア人のデモ隊が暴行をはたらいたことにより、この計画は完全に危うくなった模様である。

ドイツ連邦軍の伝えるところによれば、セルビア人のデモ隊は今週の月曜日、道路封鎖を解除しようとしたNATO指揮下のコソボ治安維持軍KFORの兵士に対して石や瓶、爆発物を投げつけた。この際30名の兵士が負傷したが、その過半数はドイツ人兵士である。

ヴェスターヴェレ外相はこの事件ならびにセルビア政府の政治的支援の疑いを「いかなる点でも容認できない」と非難した。「また私はこれまでたびたびセルビアのEU加盟展望を支持してきた政治家の一人であるだけに、きわめて悲しく思っている」と外相はブリュッセルでのEU外相協議を終えて語った。「だがセルビアのEU加盟展望はここ数時間、数週間、また遺憾ながらここ数ヶ月の展開により、これ以上具体的にはならなかった。これは冷静に受けとめる必要がある。」

オーストリア政府もセルビアに対ししびれを切らしたようである。ミヒャエル・シュピンデルエッガー外相はブリュッセルで、オーストリア兵士を含むKFOR軍兵士に対して襲撃をかけたものを厳しく処罰するよう求めた。「今後のいかなるステップもこれが前提条件となる。」セルビアの加盟候補国の地位に関して、シュピンデルエッガー外相は「どうなるか見守りたい。私たちは今この事件で懸念を抱いている」と述べた。

一方、フランスのアラン・ジュペ外相は、12月9日のEU首脳会議でセルビアを加盟候補国として承認することを支持すると表明した。何といってもコソボとの協議で進展が得られていると外相は述べた。「セルビアを引き続きこの方向に進むよう督励するためには、肯定的なシグナルを送る必要があるのだ。」

原題:Rasche Annaeherung Serbiens an EU wird unwahrscheinlicher
Europaeische Perspektive "nicht konkreter geworden"




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