2011年12月2日(金)

メルケル首相:「セルビアのEU加盟候補国承認は時期尚早」

コソボのNATO軍に対する暴力を批判

AFP

ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は、セルビアは現時点でEUから公式に加盟候補国として承認されるには時期尚早との見解を表明した。私はセルビアが「これまで期待に充分応えてこなかったため、加盟候補国の地位を与えるための前提条件が満たされない」のをきわめて遺憾に思う、とメルケル首相は連邦議会で述べた。EU拡大政策の基準には善隣関係や地域協力も含まれるのだ、とメルケル首相は来週のブリュッセルEU首脳会議に向けた政府演説で強調した。

EUとドイツ政府はこのセルビアに対する期待を早くから明確に伝えていた、とメルケル首相は続けた。首相は最近起きたコソボ北部のNATO軍兵士に対する暴力事件を「容認できない」と批判した。長期的にはセルビアだけでなく、コソボもEUに接近させるべきである、と首相は述べた。すでに木曜日の段階で、ギード・ヴェスターヴェレ外相(自由民主党FDP)が、セルビアの「EU加盟展望」はこの事件により「具体的にならなかった」と発言している。

欧州委員会は、コソボとの紛争が続く状況にもかかわらず、セルビアに対しEU加盟展望を提案することを約束している。EU加盟国による承認は来週のEU首脳会議で得られるはずであった。しかし、EUが仲介したセルビアとコソボの協議がセルビア政府により一時中断された後、コソボ北部でセルビア人のデモ隊が暴行をはたらいたことにより、この計画は完全に危うくなった模様である。

ドイツ連邦軍が伝えるところによれば、セルビア人のデモ隊は今週の月曜日、道路封鎖を解除しようとしたNATO指揮下のコソボ治安維持軍KFORの兵士に対して石や瓶、爆発物を投げつけた。この際30名の兵士が負傷したが、その過半数はドイツ人兵士であった。

原題:Merkel: Serbien nicht reif fur EU-Kandidatenstatus
Kritik an Gewalt gegen NATO-Soldaten im Kosovo




ホームへ戻る