2011年12月8日(木)

条約改正論争でEU首脳会議の成功に暗雲

ドイツ・フランスの改正案に強い反対の声

AFP

金融市場の強い圧力のもと、債務危機の解決に向けた正しい戦略をめぐる議論が激しさを増している。ブリュッセルEU首脳会議が開幕した木曜日の晩、ドイツ、フランス両国の要求する予算規律強化に向けたEU条約改正案に対して、さまざまな方面から強い反対の声が上がった。EU各国首脳は欧州救済基金の強化についても協議した。

スウェーデンのフレデリク・ラインフェルト首相は、我が国からも時間のかかりすぎる恐れのある条約改正には「なんら支持がなかった」。むしろEUの「財政ツール」の強化を優先しなくてはならない、と述べた。一方ドイツとフランスは、ユーロ圏の予算規律を強化するための条約改正を強く主張しており、とりわけ債務協定違反国に対する自動的制裁の発動を求めている。

ドイツとフランスは場合によってはユーロ加盟17ヶ国の条約として成立させたい意向である。「17ヶ国プラスアルファ、それとも全27ヶ国が共同で条約改正に合意できるかは、これからの協議で分かるだろう」とドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は語った。「しかし私にとって重要なのは、EUを安定連合に向けて発展させるよう条約を改正することでしかユーロの信認回復が図れないという結論である。」

だがあるユーロ圏の小国の外交官は「17ヶ国の条約」に反対する。これは「冒険的な」提案である。いずれにせよメルケル首相が手ぶらで帰らずに済むよう、小さな条約改正はあるかもしれない、と外交官は語った。

数多くのEU加盟国は交渉でむしろユーロ救済基金の欧州金融安定化基金(EFSF)ならびにその恒久的制度である欧州安定メカニズム(ESM)のパンチ力を強化することに主眼をおいている。オーストリアのヴェルナー・ファイマン首相は欧州中央銀行(ECB)が「中心的役割」を果たすよう求めた。先日出された提案は、この二つの基金にECBのクレジットを認めるか、あるいはEFSFをESMで代替するのではなく、二つの基金を同時に運用するというものである。国際通貨基金(IMF)の役割の拡大もたびたび議論されている。

原題:Streit um Vertragsaenderung bedroht Erfolg von EU-Gipfel
Widerstand gegen deutsch-franzoesischen Vorschlag




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