2011年12月9日(金)
AFP
クロアチアは欧州連合加盟条約に調印した。辞任を控えたヤドランカ・コソル首相とイーヴォ・ヨシポヴィッチ大統領はブリュッセルのEU首脳会議で加盟条約に署名した。一方セルビアにはさしあたり加盟候補国の地位は与えられなかった。
「心から欧州の家へようこそ」とヘルマン・ファンロンパイEU常任議長は述べた。条約によればクロアチアは2013年7月に28番目のEU加盟国として欧州連合に加盟し、調印後はEU首脳会議でオブザーバーの地位を認められる。加盟は今後、EU各国の議会ならびにクロアチア自身は来年初頭の国民投票によって批准される必要がある。
ファンロンパイEU常任議長は、これが「まだクロアチアにとって終点ではない」ことに注意を促した。「加盟期日までに改革を継続する必要がある」と議長は述べた。ルーマニアとブルガリアの加盟が時期尚早であったと受けとめられているため、EUは監督システムを設け、クロアチアの改革が滞らぬよう監視することになる。
加盟まで欧州委員会は司法、汚職と組織犯罪撲滅、ならびにクロアチア経済の競争促進における改革の状況を報告書の形で発表することになる。もしクロアチア政府が改革を怠れば、EU27ヶ国はEU構造改革基金の支給凍結などの制裁を発動できる。
人口420万のクロアチアは、旧ユーゴスラヴィアから分離独立した6つの共和国の中で、スロヴェニアに次いで2番目のEU加盟国となる。EU加盟に向けた歩みは、1999年に民族主義的なフラニョ・トゥジマン大統領が死去してから始まった。その6年後に加盟交渉が開始されたが、とりわけスロヴェニアとの国境問題でたびたび停滞した。
一方、EU首脳会議はセルビア政府のEU加盟希望に対してははっきりとブレーキをかけた。各国首脳は今の段階でセルビアに加盟候補国の地位を認めることを拒んだ。承認に必要な全会一致の決定には、ドイツなどが拒否権を行使した。
原題:Kroatien unterzeichnet Vertrag zu EU-Beitritt
Van Rompuy: "Willkommen in der europaeischen Familie"