2011年12月12日(月)

キャメロン首相はイギリス議会で拒否権行使を弁明

サルコジ大統領:「英首相はヨーロッパを二つに分断した」

AFP

イギリスのデイヴィッド・キャメロン首相はイギリスの議会で、金曜日のEU首脳会議で拒否権を行使したことについて弁明した。「私はイギリスの国益を守るという目標を持ってブリュッセルに行き、それを成し遂げた」とキャメロン首相はイギリスの下院で述べた。フランスのニコラ・サルコジ大統領はヨーロッパが二つに分断されたと語った。

私は「イギリスに対する必須の保証を得た上で」、ドイツとフランスの提案に基づき加盟全27ヶ国が合意することを模索した、とキャメロン首相は弁明した。「この共通市場と金融サービスに対する保証は慎ましく、合理的で、重要なものであった。私たちはアンフェアな利益をイギリスのために獲得しようとしたわけではない。」

危機解決のEU首脳会議におけるキャメロン首相の独自行動は、ヨーロッパならびに連立相手の親EU的な自由民主党からも批判を浴びた。自由民主党のニック・クレッグ副首相は拒否権について、「たいへん失望した」、これは「イギリスにとって有害」であると述べ、イギリスのEU内での孤立を招くと警告した。クレッグ副首相は議会討論への出席を故意に見送った。

サルコジ大統領との摩擦はない、とキャメロン首相は述べた。首相は、フランスの大統領選挙でサルコジ大統領のライバルとなるフランソワ・オランド候補を支持するのかとの問いに対して、私は今後ともフランス大統領とは「きわめて良い関係」を維持する。リビアに対する共同の軍事行動はその証明である、と議会で語った。

野党労働党のエド・ミリバント党首は、「イギリスにとって不利な交渉結果」を携えて帰ってきた、これはロンドンの金融市場に対する保証を含むものではない、とキャメロン首相を非難した。ミリバンド党首は、首相は「外交的失敗」に対する責任を負うと述べた。これより前、スコットランドのアレックス・サモンド首相は、キャメロン首相のブリュッセルでの対応を公開書簡で厳しく批判した。

キャメロン首相が拒否権を行使したのは、EU諸国がロンドンの金融市場に対する例外規定に承諾しようとしなかったからである。これによりEU加盟全27ヶ国による条約改正は実現せず、ユーロ加盟17ヶ国は独自に予算協定に合意した。しかしイギリスを除くすべてのユーロ非加盟国は、議会と協議の上で新たな予算協定を承認する意向を示している。

サルコジ大統領はヨーロッパの分裂に言及した。「今や明確に二つのヨーロッパができた。ひとつはなによりも加盟国間の連帯と規制を求めるヨーロッパであり、もうひとつはひたすら共通市場の論理にしがみつくヨーロッパである」と大統領は語った。しかしイギリスのEU脱退の可能性は退けた。「私たちにはイギリスが必要だ」とサルコジ大統領は明言した。

欧州委員会のヴィヴィアーネ・レディング副委員長は、今後イギリスが譲歩するとの楽観的な見方を示した。「私たちはこれまでの経験から、イギリスがいつも何かしら取り済ました顔をしながらも、架け橋をさがし、一緒に残ろうとするのを知っている」と副委員長は語った。また同委員会のオリ・レーン経済担当委員は、キャメロン首相の拒否権はロンドンの金融市場を厳しい規制から守ることにはつながらないと警告した。

原題:Cameron verteidigt vor britischem Parlament EU-Veto
Sarkozy: Premier spaltet Europa in zwei Teile




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