2011年12月12日(月)
AFP
イギリスのデイヴィッド・キャメロン首相のEU条約改正に対する拒否権行使に対して、イギリス国内では批判が高まっている。自由民主党のニック・クレッグ副首相に続き、スコットランドの地域政府の首相もキャメロン首相を厳しく批判した。キャメロン首相は今日イギリス議会で拒否権行使について説明を行った。
キャメロン首相は先週金曜日のブリュッセルEU首脳会議でただ一人、予算規律の厳格化を図った政府間条約への承認を拒んだ。その理由は、キャメロン首相が要求したロンドンの金融市場に対する例外規定をEU諸国が承認しようとしなかったからである。これにより、EU加盟全27ヶ国による条約改正は実現せず、ユーロ加盟17ヶ国は独自に予算協定を策定した。キャメロン首相は自らの行動により連立を組む自由民主党のニック・クレッグ副首相の怒りを招いた。
保守党のキャメロン首相はイギリスと欧州連合の関係全体を変えるという大きな誤りを犯した。連立相手の自由民主党やウェールズ、スコットランド、北アイルランドの地域政府との協議すら行わずに、とスコットランドの地域政府のアレックス・サモンド首相は公開書簡で問いただした。キャメロン首相の行動によりイギリスは、スコットランドにとってきわめて重要な一連の分野のEU交渉における信用を失った、とサモンド首相は批判した。
サモンド首相の率いるスコットランド国民党は5月のスコットランド地方選挙で圧倒的な勝利を収めた。同党はスコットランドのイギリスからの独立を問う国民投票を4年以内に実施することを計画している。
原題:Schottland kritisiert britisches Veto bei EU-Gipfel
Cameron nimmt vor Parlament Stellung zu EU-Veto