2011年12月13日(火)

バローゾ欧州委員長はEU首脳会議におけるイギリスの拒否権を批判

欧州議員はイギリスに対する強硬姿勢を歓迎

AFP

欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は、ユーロ危機への実効的な解決に向けたEU条約改正に対して、イギリスが拒否権を行使したことを批判した。自国の金融セクターをEUの法律の適用外に置こうとするイギリス政府の要求は、域内市場の分断を招くおそれがあった、とバローゾ委員長はストラスブールの欧州議会で述べた。それゆえ先週末のEU首脳会議ではイギリス抜きに合意するしかなかった、と委員長は語った。

ヘルマン・ファンロンパイEU常任議長は、大多数の各国議会は首脳会議の決定を承認するものと考えていると述べた。おそらく「ほぼすべてのEU諸国が賛同する」だろう。しかし一方でベルギー出身のファンロンパイEU常任議長は過度の期待を戒めた。金融市場の「失われた信頼」が回復されるまでは時間がかかるだろう。「これは長い道のりだ。」

欧州議員らはイギリスの要求に対する他のEU諸国の強硬な姿勢を評価した。社会民主党議員団のマルティーン・シュルツ代表(ドイツ社会民主党SPD)は、イギリスのデイヴィッド・キャメロン首相は受け容れ難い例外規定を要求したと述べた。キャメロン首相は「ロンドンの金融シティの投機」にさらなるEUの規制が及ばないように図ろうとしたのだ。「幸い他の国々は脅しに屈しなかった」とシュルツ代表は語った。

欧州国民党(EVP)のジョセフ・ダウル代表は、イギリスはEU市民の利益を無視したと述べた。今や問題はイギリスがEU内のどこに位置するかである。これはいわゆるイギリスのEU拠出金割引についても問題を提起する。イギリスは仲間に対する連帯を放棄したのだ、とフランス出身のダウル代表は強調した。「なぜ他の国々は今後ともイギリスに対して譲歩しなければならないのか?」ダウル代表はイギリス人議員の野次に対して、これは宣戦布告などではない、しかし連帯は「双方向」でなくてはならない、と答えた。

1984年に当時のマーガレット・サッチャー英首相が認めさせた拠出金割引は、イギリスのEU拠出金の減額を定めたものである。この特別規定はEU農業政策の補助金との均衡をはかるものとされた。当時は農業補助金がEU予算の80パーセントを占めており、イギリスは他の国ほど恩恵を受けていなかった。しかし現在ではEUの農業予算は全体の50パーセント未満であり、そのためたびたびイギリスの拠出金割引の見直しが要求されている。

原題:Barroso kritisiert Londons Veto bei Gipfel zu Euro-Krise
Abgeordnete begruessen harte Haltung gegenueber Briten




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