2012年12月18日(火)

アイスランドとのEU加盟交渉は重要局面へ

難航が予想される漁業分野はまだ手つかず

AFP

アイスランドの欧州連合(EU)加盟交渉はEUの情報によれば「決定的な局面」に入ったという。ブリュッセルで行われた協議ではEUとアイスランドの代表が全35分野のうちさらに6分野の交渉に入った。商品の移動の自由、税制、経済・通貨政策、地域政策、環境、および対外関係の6分野である。このうち、環境の分野が最も問題をはらんでいる。EUがアイスランド伝統の捕鯨の廃止を求めているからである。

加盟協議はアイスランドのオッシュル・スカルプヘイジンソン外相とキプロスのエラト・コザクゥ−マルクリ外相の主導で行われた。キプロスは現在EU議長国を務めている。また欧州委員会のシュテファン・フューレ拡大担当委員も出席した。2010年7月に加盟交渉が開始されて以来、27の分野の協議が開始され、11分野の協議がさしあたり完了している。北大西洋の島国アイスランドは欧州経済圏に、シェンゲン圏、ならびにNATOに加盟しており、早期EU加盟に向けた環境は整っている。

しかし難航が予想される漁業分野の交渉はまだ開始されていない。アイスランドとデンマークの自治領フェロー諸島は2010年、いわゆるサバ戦争を行い、EUとの取り決めなしに北大西洋のそれぞれの漁獲量割当を大幅に引き上げた。この件も依然大きな潜在的問題をはらんでいる。

アイスランド政府は経済的安定などからEU加盟を希望している。同国は不良債権による銀行破綻により深刻な経済危機に陥った後、2009年にEU加盟申請を行った。EUによれば次の交渉は2013年の上半期に予定されている。アイスランドでは2013年4月に議会選挙が予定されている。最大野党の保守の独立党はEU加盟を拒否している。世論調査によればアイスランド国民の間ではEU加盟反対の声が大きい。

原題:Gespraeche mit Island ueber EU-Beitritt in heisser Phase
Strittiges Fischereikapitel noch nicht geoeffnet




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