2015年12月17日 

ブリュッセルEU首脳会議:EU各国首脳は難民問題を協議

ブリュッセル(dpa/ミッテルドイチェ・ツァイトゥング紙)

欧州連合加盟28ヶ国の首脳は今日ブリュッセルで難民問題の解決を協議する意向である。ドナルド・トゥスクEU常任議長は首脳会議で、すでに決まっている決定を実行に移すよう強く求める予定である。

具体的にはイタリアとギリシャの難民登録センターや加盟国への難民の割り当てである。

2日間の首脳会議では、論議を呼んでいるEU外部国境の管理強化という欧州委員会の提案も議題に上る可能性がある。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、欧州委員会の提案に対するドイツの支持をすでに約束している。この提案は速やかに協議し可決すべきである、とキリスト教民主同盟(CDU)に所属するメルケル首相は水曜日、ドイツ連邦議会の政府演説で述べた。

欧州委員会の提案は、欧州対外国境管理協力機関フロンテックス(Frontex)の強化・人員増をはかり、緊急時には関係国の意向に反してもEU外部国境の警備に当たるというものである。加盟国の中には自国の主権が侵害されると懸念する国もある。

欧州委員会のディミトリス・アヴラモプーロス内務担当委員は委員会の提案を弁明した。ここ数ヶ月の難民流入はEUが別の方策を取らねばならないことを示した、と同委員はパッサウアー・ノイエ・プレッセ紙Passauer Neue Presseに語った。EUという要塞を築くのではなく、「私たちの外部国境の管理改善を図り、内部国境内の自由な移動を維持できるようにすることが求められているのだ」。私は「完全に開かれた国境も完全に閉ざされた国境も現実的とは考えない」、とアヴラモプーロス内務担当委員は述べた。

メルケル首相によれば、ドイツはこれに加えて永続的で拘束力のあるEU内の難民分担制度を主張するという。しかしブリュッセル首脳会議はこの点では打開をもたらすことはできないだろう、とメルケル首相は述べた。だがドイツ政府は16万の難民の分担受け入れなど、すでに合意された事項の実行を強く求めるという。あまりにも実行に移すのが遅いとメルケル首相は批判した。

オーストリアのヴェルナー・ファイマン首相もこの問題ではEUの一層の連帯を求め、非協力的なEU加盟国に対して財政上の措置も辞さないとした。「差し引きでEUから拠出額以上のお金を得ている国は、難民の公平な受け入れ分担を逃れるべきではない」。「それでも受け入れを拒む国は、EU財政全体を危うくするもので、オーストリアなどの実質負担国は今後同様の額を拠出することがきわめて困難になる」。連帯は一方通行ではないのだ、と首相はヴェルト紙Weltに警告した。

約3ヶ月前に合意された16万の難民のEU受け入れは、基本的にギリシャとイタリアに到着した人々を対象としている。中東欧の数ヶ国は依然受け入れを拒んでいる。メルケル首相はブリュッセルでトルコのアフメト・ダーヴトオール首相および数ヶ国の首脳と特別会合を開き、トルコの難民負担の軽減を協議する意向である。

ビルト紙Bildが欧州委員会の内部資料として伝えたところによれば、トルコからギリシャに渡った難民は12月以降52,234人となる。これは1日平均3,731人である。今週初めから平均数は2,000人以下に減少している。9月と10月は1日平均で6,970人に上っていた。

EU首脳会議の他の議題はキャメロン英首相のEU改革の要求である。


原題:Gipfel in Bruessel: EU-Chefs sprechen ueber Fluechtlingskrise




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