2015年12月18日(金)12:26
ターゲスシャウ tagesschau
EUは2016年6月末を期限とした。その時点で、難民流入に対してどのようにEU対外国境の管理改善を図るかが決まることになる。EU首脳会議で加盟28ヶ国の首脳は、加えて難民申請者に対するダブリン・システムの改革も要求した。
EUは2016年6月末までに対外国境の新たな警備体制を決定する意向である。難民問題に関するブリュッセルEU首脳会議の閉幕宣言によれば、28ヶ国の首脳はこれに関して合意に至ったという。
欧州委員会の提案したEUの国境沿岸警備隊については、2016年1月1日に始まる6ヶ月間のオランダの議長国期間中にも決定が行われるという。
欧州委員会は火曜日、共通のEU国境沿岸警備隊の創設を提案していた。これは1,000人の常設隊に加えて1,500人の予備役から成り、危険地域への3日以内の派遣を可能とする組織である。通常は加盟国の要請による派遣である。
欧州委員会は「緊急の場合」とりわけ、シェンゲン圏の機能が危機に瀕した場合には、加盟国政府の意向に反しても部隊を投入する意向である。しかしこの点に関してはポーランドやハンガリーなどから強い抵抗がある。
またEU加盟国は首脳会議宣言の中で、できるだけ早くダブリン・システムの改革案を提示するよう欧州委員会に求めた。ダブリン・システムはどのEU加盟国で難民認定が行われるかを規定している。これまでは移民や難民が入国した最初のEU加盟国で行われると規定されている。しかし今年に入って大量の難民が流入したため、このシステムは機能不全に陥っている。またギリシャやイタリアなどEUの対外国境を成す国々が負担過重に受けとめているという背景もある。
これに関して、EU加盟国政府は首脳会議宣言によれば、ギリシャとイタリアの難民登録センターの機能改善を図る意向であるという。またシリア難民支援のためにトルコに支払われる30億ユーロの財政支援の詳細を詰めるよう常任のEU大使に求めている。
トルコのアフメト・ダーヴトオール首相はブリュッセルEU首脳会議の開幕前、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、オーストリアのヴェルナー・ファイマン首相ほか8ヶ国の首脳と会談し、難民問題の協議を行った。EUとトルコ政府は11月末、ビザ(査証)の免除ならびに数十億ユーロの支援と引き換えにトルコがEUへの難民流入を抑制することで合意に達している。
複数の通信社の報道によれば、トルコ政府は第三国からトルコに入国するシリア人に対してビザの取得を義務化する意向であるという。これについてダーヴトオール首相はEU数ヶ国の首脳に伝えたという。しかし故郷での危険を逃れ、直接トルコに入国するシリア難民に対してはビザ取得は義務化されない、とトルコの政府代表はAFP通信に保証した。第三国から来たシリア人に対するビザの再要求はすでに12月9日に決定されたという。新たな規定は2016年1月8日以降適用される。
欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長は、EUが難民割当の問題で来年に進展が得られるとは思わないと述べた。「首尾良く行くかどうか、私はそれほど楽観的ではない」。幻想は抱かない。重要なのはEU首脳会議がEU対外国境の防御を討議したことだ、とユンケル委員長はブリュッセルEU首脳会議2日目の開始に当たって語った。
原題:Grenzschutzplan soll im Sommer stehen