2015年12月23日(水) 18:54

EUはポーランドの憲法裁判所の空洞化を非難

AFP

ポーランド議会による憲法裁判所改革の可決を受けて、欧州委員会はこの計画を厳しく批判した。南ドイツ新聞Suddeutsche Zeitungの報道によれば、同委員会のフランス・ティメルマンス副委員長はポーランドのヴィトルド・ヴァシチコフスキ外相とズビグニェフ・ジオルブロ法相に宛てて改革を批判する書簡を送ったという。ティメルマンス副委員長は法律改正を再検討するよう求めたという。ポーランドのレフ・ワレサ元大統領は法案を厳しく非難した。

「法治国家制度は欧州連合が拠って立つ共通の価値の一つである」。それゆえ欧州委員会は、加盟国の法治国家制度を揺るがしかねない事態の推移を厳しく見守る。これはたとえば「国家の憲法裁判所の不可侵性や安定性や規定に則った機能」が空洞化されるケースを対象とする、と同氏はティメルマンス副委員長の書簡を引用している。

ポーランド議会は火曜日(22日)の晩、圧倒的多数で法案を可決した。新たな規定によれば、特定のケースの場合、憲法裁判所が判決を下すためには15人の判事のうち13人の出席が必要となる。従来は9人で足りた。法案はまた、法廷への訴えから判決まで3ヶ月から6ヶ月の期間を定めている。従来は2週間であった。憲法裁判所の判断では「著しい遅滞」が生じる恐れがあるという。

ワレサ元大統領は民族保守派政府の政治を厳しく批判した。「この政権はポーランドの利益に反する行動を取っており、私たちを世界の笑いものにしている」と元大統領はラジオ局Zetに語った。元大統領は再選挙を問う国民投票を行うよう提案した。

ポーランドの憲法によれば、そのような国民投票は、議会または大統領が上院の承認を得た場合に限って実施できる。1983年のノーベル平和賞を受賞したワレサ元大統領はすでに先週政府を批判し、もし政府がこのまま「乱暴に」突き進むのなら、「内乱」が起きると警告した。現在の与党「法と正義」(PiS)のヤロスワフ・カチンスキ党首は、ワレサが大統領を務めていた1990年に大統領の顧問の一人であった。

原題:EU ruegt Entmachtung des Verfassungsgerichts in Polen




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