2015年12月23日(水) 17:47

ポーランド議会は憲法裁判所の権限縮小の法案を可決

AFP

国内外からの批判を顧みず、ポーランド議会は憲法裁判所の改革法案を可決した。火曜日(22日)の晩の採決では、235名の議員が法案に賛成、181名が反対、4名が棄権した。今後、憲法裁判所のすべての判決は従来の単純過半数から3分の2の多数が必要となる。レフ・ワレサ元大統領は法案を厳しく批判した。

新たな規定によれば、特定のケースでは判決を下すために15名の裁判官のうち13名の出席が必要となる。従来は9名の裁判官で足りていた。法案はまた、法廷への訴えから判決まで3ヶ月から6か月の期間を定めている。従来は2週間であった。最高裁判所の判断では「著しい遅滞」が生じる恐れがある。

ワレサ元大統領は民族保守派政府の政治を厳しく批判した。「この政権はポーランドの利益に反する行動を取っており、私たちを世界の笑いものにしている」と元大統領はラジオ局Zetに語った。元大統領は再選挙を問う国民投票を行うよう提案した。

ポーランドの憲法によれば、そのような国民投票は、議会または大統領が上院の承認を得た場合に限って実施できる。1983年のノーベル平和賞を受賞したワレサ元大統領はすでに先週政府を批判し、もし政府がこのまま「乱暴に」突き進むのなら、「内乱」が起きると警告した。現在の与党「法と正義」(PiS)のヤロスワフ・カチンスキ党首は、ワレサが大統領を務めていた1990年に大統領の顧問の一人であった。

ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)に近いコンラート・アデナウアー財団も、与党「法と正義」に「法案を押し通す」道をひらく今回の措置に懸念を表明した。ポーランドは「きわめて不穏な時代」を迎える。「騒乱に発展したり、政権争いになる」ことが予測される、とワルシャワのコンラート・アデナウアー財団のクリスティアン・シュミッツ事務局長は中部ドイツラジオ(MDR)に語った。

PiSは10月の議会選挙で絶対多数の議席を獲得したベアタ・シドゥウォ首相率いる新政権は、批判的なメディアや憲法裁判所を政府の監督下に置こうと政権発足後から権限を行使している。

PiSは選挙の勝利からほどなく、自らが可決した法律に基づき、自らに近い憲法裁判所判事を新たに任命し、野党やメディア、外国の政治家などから強い批判を浴びた。憲法裁判所は後に法案を憲法違反と判断した。しかしPiSに近いアンジェイ・ドゥダ大統領はすでにこの5人の判事の宣誓式を行っている。

憲法裁判所に関する法案も可決の前に各方面から強い批判を招いた。ポーランドの憲法裁判所は先週、憲法裁判所が機能停止に陥る可能性があると警告した。新たな規定は「民主的な法治国家における憲法裁判所の機能形態」に反しており、その仕事を「妨害もしくは阻害する」恐れがある。一方PiSのカチンスキ党首は憲法裁判所について、政府の改革を阻止する意図があると非難した。

この間、ポーランド国民の間ではPiSの政治に対して強い抵抗が起きている。先週土曜日には二週連続で数万人の国民が新政権と「民主主義の破壊」に抗議する街頭デモを行った。

原題:Polnisches Parlament beschneidet Macht der Verfassungsrichter




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