2016年12月8日(木)

メイ首相はEU離脱行程表の議会承認を得る

AFP

英国のテリーザ・メイ首相は政府のEU離脱タイムスケジュール案に対する議会の承認を得た。448名の議員が水曜日の晩、EU離脱申請をリスボン条約第50条に則って2017年3月31日までに行うことを承認した。反対は75名であった。これより前、メイ首相は多くの与党議員の圧力を受け、政府の交渉戦略を議会に伝えることを確約していた。

この拘束力のない下院の承認によって、メイ首相は象徴的な勝利を得たことになる。当初労働党は、EU離脱を公式に申請する前に、詳細な離脱計画を提示するよう首相に要求していた。メイ首相の与党保守党からも、数多くの親EU派の議員が労働党の動議に賛成の意向を示していた。

最後の最後にメイ首相は党内の離反を回避した。首相は、議会が離脱行程表を承認すれば議会に離脱戦略を伝えるとの修正動議を承認したのだ。反対は保守党の1名の議員だけであった。加えて9名の労働党の議員と5名の自由党の議員、また51名のスコットランド民族党の議員が反対した。

「英国の交渉の立場を脅かさない限り、離脱戦略を詳細に提示するのは、常に私たちの考えているところだった」とデーヴィッド・デイヴィスEU離脱担当相は語った。

労働党のヒラリー・ベン議員は、今回の投票結果が離脱交渉戦略に関する一層の情報提供を政府に働きかけるものとなることを望んでいる、と述べた。「議会は傍観者に留まるつもりはない。参加者になるのだ」とベン議員はBBC放送に語った。

保守党のイアン・ダンカン・スミス議員は、政府にEU離脱の実行の権限を与える「歴史的な」表決と評価した。「政府はこれで白紙委任状を得た。私はこれを良いことだと考える」と同議員はスカイ・ニュース放送で述べた。

議会の支持獲得をめぐる綱引きが終わったが、今度は次の課題がメイ首相を待ち受けている。英国の最高裁判所は今週、政府がEU離脱交渉を開始する前に議会の承認を取り付ける必要があるか否かについて、審理を開始する。

11月初め英国高等法院は、議会の承認なしに政府が離脱交渉を始めてはならないとする判断を下した。これに対して政府は上訴していた。

英国は6月の国民投票で賛成多数をもってEU離脱を決定した。しかし2年間と定められている離脱手続きは、英国政府がリスボン条約第50条に基づき、欧州連合からの脱退を正式に申請してからでないと開始されない。

原題:May holt sich fuer Brexit-Zeitplan Rueckendeckung des Parlaments




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