2002年2月6日(水)16:48

「人種混交の社会」についてのガイス議員の発言をめぐり波紋

(『フランクフルター・アルゲマイネ』紙ネット版)

キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)の首相候補者エトムント・シュトイバーの「人種の混交した社会」durchrasste Gesellschaftという1988年の発言は、連邦議会選挙戦で波紋を呼んでいる。CSUのノルベルト・ガイス議員は水曜日、この概念を弁護したとの報道を否定した。

水曜日の晩、ヘッセン・テレビの番組「ご用心!フリートマン」で、キャスターのミヒャエル・フリートマンはシュトイバー候補の「人種の混交した社会」との言葉についての評価をガイス議員に尋ねた。これに対して同議員は同テレビによれば、これはドイツがドイツ人のものであるべきという意味で、それは「フランスがフランス人の、イタリアがイタリア人のものであるのと同じである。なぜあなた方はドイツをドイツ人に委ねないのか?」と問いかけたという。しかしこの発言についてはガイス議員は否定しようとしなかった。私はただシュトイバー氏の弁護を意図しただけで、氏の言葉を整理しようとしたのだ、と同議員は述べた。

「民主主義の多様性に訣別したもの」

ユダヤ人中央評議会のパウル・シュピーゲル会長は水曜日、ガイスは「民主主義の多様性に訣別した」。ユダヤ人中央評議会はキリスト教民主同盟・社会同盟議員団が「相応の対応を取る」ことを期待する、と表明した。

キリスト教民主同盟(CDU)はガイス発言から慎重に距離を置き、社会民主党(SPD)、緑の党(Gruene)および民主社会党(PDS)は激昂した。CDUのラウレンツ・マイヤー幹事長はベルリンで、「人種の混交した社会」という概念は私の用いる語彙ではないと述べた。緑の党の法律専門家フォルカー・ベックはキリスト教民主同盟・社会同盟に対し、「ノルベルト・ガイスの人種差別的発言とのかかわりを否定する」よう求めた。シュトイバーが猫をかぶっている間、キリスト教民主同盟・社会同盟の第二列が右翼の有権者層に向かって、「中道路線は本気ではないよ」と伝えているのだ、とベックは批判した。

SPDのディーター・ヴィーフェルスピュッツ議員は「ガイス氏は黙っていた方が良かった」と述べた。PDSのペートラ・パウ副党首は「いかがわしい人々の蜂起」と評し、「ガイスは火遊びをしている」と強調した。

シュトイバーはCSUの幹事長を務めていた1988年に、SPDのオスカー・ラフォンテーヌは「混ざり合い、人種の混交した多民族社会をドイツの国土に」eine multinationale Gesellschaft auf deutschem Boden, durchmischt und durchrasst 望んでいるのだ、と述べた。シュトイバーは後になって、「人種の混交した」durchrasst との表現を用いたことについて、公に遺憾の意を表明した。

原題:Wirbel um Geis' Gerede von "durchrasster Gesellschaft"