2004年2月20日(金)19:28

シュレーダー首相はトルコEU加盟問題でキリスト教民主同盟・社会同盟を批判

ベルリン(AP)

トルコ訪問を目前に控え、ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相はトルコ政府のEU加盟に向けた取り組みに支持を表明し、キリスト教民主同盟・社会同盟の拒絶姿勢を批判した。キリスト教民主同盟のアンゲラ・メルケル党首が今週初めトルコ政府に提案した「特権的パートナーシップ」案は、これまでのトルコに対する約束に反すると、金曜日トルコの日刊紙『ヒュリイェット』Huerriyet とのインタビューで語った。ヨシュカ・フィッシャー外相は、メルケル党首は自らの主張を振りかざし「陶磁器店に侵入したサイ」のように振舞ったと、さらに直截的な言葉で批判した。

シュレーダー首相は日曜日、二日間の日程でトルコとマルタ歴訪に出発する。トルコには1963年初めてEU加盟展望が与えられ、2004年末には加盟交渉開始に関する決定が行われることになっている。トルコが加盟基準を満たした場合は、「加盟交渉が始められる」。民主主義、人権、イスラムを調和させたトルコは他のイスラム隣国に対するお手本となろう。そうなれば欧州の安定と安全にとって大きな利益になると首相は語った。

フィッシャー外相はベルリンの『ターゲスツァイトゥング』紙 Tageszeitung で、トルコはドイツの平和と安定にきわめて大きな戦略的重要性を持つので、EUに引き寄せねばならないと発言した。緑の党所属の同外相は、トルコについて「文化的見地から不安」があることは認めたものの、メルケル党首の政治を見ていると「落胆させられる」と語った。

キリスト教社会同盟(CSU)のエトムント・シュトイバー党首は、トルコのEU正式加盟は問題外であると繰り返した。あわせて、EUが2007年の加盟を見込んでいるブルガリアとルーマニアの加盟タイムスケジュールについても、『フォーカス』誌のインタビューで疑問を呈した。財政負担の観点からあらためてこの問題を深く議論する必要があると、バイエルン州首相を務めるシュトイバー党首は主張した。「到底私たちが負担できない」問題を絶えず議論してはいられない。ブルガリアとルーマニアの加盟タイムスケジュールが順守できるのは、それに必要なコストをEUが他の所で節約できた場合に限られると同党首は発言した。

自由民主党(FDP)の欧州議会選挙の上位候補者シルヴィア・コッホ・メーリンも、トルコのEU加盟を拒否し、この問題を国民投票にかけるよう求めた。「このような問題は裏交渉で決めてはならない」と『ロイトリンガー・ゲネラール・アンツァイガー』紙 Reutlinger General-Anzeiger は彼女の発言を伝えている。

シュレーダー首相は日曜日にまずアンカラに向かい、翌月曜日にレチェプ・タイップ・エルドアン首相のほか、ネズデット・セゼル大統領、野党のデニズ・バイカルDeniz Baykal党首と会談する予定である。その後イスタンブールでドイツ・トルコ経済フォーラムに出席する。火曜日は南トルコのイスケンデルンIskenderunで、ドイツのシュテークSTEAK社の石炭火力発電所の竣工式に出席した後、マルタを短時間訪問する。

首相には13名の経済代表団が随行する。トルコ政府との会談ではEU問題のほか、両国関係の強化や中東問題、イラク情勢がテーマとなる。

原題:Schroeder kritisiert Haltung der Union in Tuerkei-Frage




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