2004年2月22日(日)12:10

キリスト教民主同盟・社会同盟の内部でトルコEU加盟をめぐり論争

ベルリン(AP)

キリスト教民主同盟・社会同盟の政治家(CDU/CSU)は、トルコのEU加盟と、この問題の欧州選挙での扱い方をめぐって公然と論争を行っている。キリスト教社会同盟(CSU)のエトムント・シュトイバー党首は週末、あらためて加盟拒否論を繰り返した。「トルコの正式加盟のような、欧州の統合能力の限界を越える拡大妄想は、EUのヴィジョンを破壊する」と『ヴェルト日曜版』紙Welt am Sonntagに語った。これに対し、ハンブルクのオレ・フォン・ボイスト市長(CDU)は、トルコに加盟を認めようとしないキリスト教民主同盟・社会同盟指導部を戒めた。

トルコにはもちろん加盟という選択を与えねばならないと、ボイスト市長は『フランクフルト一般新聞日曜版』紙Frankfurter Allgemeiner Sonntagszeitung で述べた。「誰もトルコに対して真剣にこれを拒むことはできない。」州議会選挙を一週間後に控え、同市長は「民族大移動やその類でパニックを起こして」反トルコの気分を煽ることに対して警鐘を鳴らした。「こうしたやり方は有効な選挙戦術にはならず、私たちの争点でもない。」

一方バイエルン州の首相を務めるシュトイバーCSU党首は、トルコのEU加盟希望を欧州議会選挙の争点にする意向である。CSUのヨアヒム・ヴュルメリング欧州議員はブリュッセルで、この問題はEUの将来にとって重要であり、選挙戦でタブーとされてはならない。トルコの加盟には欧州議会の絶対多数の承認が必要なため、結局は6月13日の欧州議会選の結果がこの問題を決めるのである、と述べた。

バイエルン州のギュンター・ベックシュタイン内相はシュトイバー州首相より控えめな主張を行い、無条件反対に異を唱えた。「私たちは将来の加盟交渉の可能性を原則的に排除するべきでない」。たしかにキリスト教民主同盟・社会同盟が提案する、いわゆる特権的パートナーシップは、ヨーロッパのトルコ人にいろいろな便宜を図るものであるが、「もはや絶対反対を唱えるべきではない」と内相は『フランクフルト一般新聞日曜版』に語った。

CDUのノルトライン・ヴェストファーレン州の副代表で、ゲルゼンキルヒェンの市長を務めるオリヴァー・ヴィットケは、バイエルンの姉妹党であるCSUを、ドイツ在住のトルコ人の統合を危うくする路線をとっていると批判した。「CSUのように無条件でトルコのEU加盟を拒否するものは、私たちの国で暮らすトルコ人に対して、鼻先で扉を乱暴に閉ざすことになる」。平和的な共存を危うくしないために、私は「トルコ問題が選挙戦のテーマとならぬよう全力を尽くす」つもりだ、と同紙に語った。

CDUのヴィリー・ツィライェフ連邦議員は自らの党に対して、歴史の教訓から学ぶよう求めた。「かつての東方政策のように、CDUは一昔前の意見を振りかざして、欧州政治でひとりかやの外に置かれることのないよう気をつける必要がある」と議員は同紙で警告した。

原題:Union streitet ueber tuerkische EU-Mitgliedschaft




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