2005年2月24日(木)14:46
ベルリン(AFP)
ドイツ連邦議会のキリスト教民主同盟・社会同盟議員団は、トルコによるアルメニア人の大量虐殺を認めるよう求めた。オスマン帝国の法的後継国であるトルコが「過去および現在におけるアルメニア人に対する自らの役割を無条件で直視する」よう、ドイツ政府はあらゆる手を尽くす必要がある、と今週連邦議会に提出された動議は求めている。動議は4月18日から22日の間に連邦議会で議論される予定である。
アルメニア人は1915年と1916年東アナトリアで、ドイツと同盟関係を結んでいたオスマン帝国の支配の下、組織的に迫害を受けた。その際、アルメニアの発表によれば最大で150万人のアルメニア人が虐殺されたという。しかしトルコは組織的迫害との非難を退け、虐殺されたのは30万人以下としている。
大量虐殺を否定するトルコ政府の態度は「トルコが加盟を志す欧州連合という価値共同体の融和という根本的理念に反する」。4月24日はアルメニア人に対する「放逐と虐殺の開始」から90周年を迎える、と動議は訴える。しかし動議では「大量虐殺」Voelkermordという言葉は避けられている。
歴史的事件を直視し、これに取り組むことは「現在にとっての直接的意義」もある。トルコとアルメニアの関係正常化は地域全体の将来にとって利益となる。「トルコの国境封鎖が終われば、アルメニアの孤立も解消される可能性がある。アルメニアの孤立が終われば、アルメニアとアゼルバイジャンの間のカラバフ問題も平和的に解決される可能性が生まれる」、と動議は主張する。
大量虐殺との非難をめぐってトルコとフランスなど他の国々との間ではたびたび不和が生じた。フランスは国民議会が2001年にこの問題で声明を可決している。フランスのミシェル・バルニエ外相は昨年12月、EU加盟交渉開始の決定前に、トルコはEUに加盟する前にアルメニア人の大量虐殺を認めねばならないとあらためてトルコ政府に求めた。
ドイツの連邦議会は2001年に連邦政府への資料として請願書を可決するに留まっている。この請願書はトルコに対し、国連の大量虐殺の取り決めに従ってアルメニア人ならびにアッシリアのキリスト教徒とギリシャ人に対する大量虐殺を歴史的事実として認めるよう求めている。
原題:Union: Tuerkei muss Genozid an Armeniern anerkennen