2006年2月23日(木)19:52

EUはセルビアに対し安定連合協定の交渉中断を警告

ブリュッセル/ベオグラード(AFP)

ボスニア・セルビア軍の戦犯容疑者ラトコ・ムラジッチの逮捕に関する矛盾した報道を受けて、EUはセルビアに対する圧力を強めた。もしセルビア政府がハーグの国連戦犯法廷と直ちに協力を始めなければ、安定連合協定の交渉中断は避けられない、と欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は述べた。一方オランダのベン・ボト外相はオランダ議会で、今週のベオグラード訪問で会談したセルビアの関係者が、ムラジッチとの交渉が行われていると伝えたと語った。

残念ながらセルビアのハーグ戦犯法廷との協力状況は悪化しているとレーン拡大担当委員は欧州議会の外交委員会で述べた。本来セルビアは「全面的な協力」を行っていなくてはならなかった。協力を目指す政治的意思が具体的な行動に結びつかねばならない、とレーン委員は強調した。「民族主義的な過去の代わりにEUの一員としての将来を選ぶか否かは、セルビアの指導者の手に委ねられている。」

レーン委員は外交委員会の開始前に、全面的な協力がなければ安定連合協定の交渉に「障害」が発生すると伝えていた。その内容について問われた同委員は、これはセルビア政府が全面的にハーグ戦犯法廷と協力するまで、EU側から交渉を中断することを意味すると語った。

「交渉の継続はきわめて危うい状況にある」とセルビア政府のターニャ・ミスケヴィッチTanja Miscevic EU統合相は述べた。「私たちはこの警告を深刻に受けとめる」。すでにEUとの次の交渉ラウンドの実施も危うい状況に陥っている。しかし欧州委員会の支援を得れば、次回の交渉の中止は避けられるかもしれない、とミスケヴィッチEU統合相は語った。

レーン委員はムラジッチ容疑者の身柄に関する矛盾に満ちた報道について、私の知るところでは国連戦犯法廷もEU安全保障部隊(EUFOR)も逮捕を確認していないと語った。国連戦犯法廷のカルラ・デルポンテ主任検察官は水曜日、かつてのボスニア・セルビア軍のムラジッチ司令官は「疑いもなくセルビアに」潜伏しており、それもセルビア当局の「手の届くところ」にいると述べた。これより前、セルビアのメディアはムラジッチ容疑者がすでに逮捕されたか、あるいは身柄拘束の交渉が行われていると報じていた。

原題:EU warnt Serbien vor Verzoegerungen bei Annaeherung




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