2008年2月4日(月)16:18
ブリュッセル(AP)
ルーマニアとブルガリアはEU加盟から1年を経た今でも汚職と組織犯罪の問題を解決していない。これは月曜日にブリュッセルの欧州委員会が発表した両国に関する2つの報告書から明らかになったもの。しかしさしあたり両国は制裁を科される心配はないと欧州委員会のマーク・グレイ広報官は述べた。「最初のハーフタイムはきわめてお粗末であった。後半は改善を期待している。誰も延長戦やペナルティーキックを望むものはいない」と広報官は語った。
ルーマニアは「トップレベルでさらに汚職撲滅に向け」努力しなくてはならない。ブルガリアはこれに加えて組織犯罪に「精力的に対処する」必要がある、と欧州委員会の2つの報告書は指摘している。一方、両国は司法の改革および地方行政の汚職撲滅では進展が見られたと評価された。
もし6月の次期進展報告書で改善が認められないと判断した場合、欧州委員会は他の加盟国に対し、ブルガリア、ルーマニア両国の司法判決の承認を取りやめるという制裁措置を勧告する可能性がある。しかしグレイ広報官は、欧州委員会がこの措置に踏み切るのは最悪の場合に限られると述べた。「私たちの使命は、両国が義務を果たせるよう援助することにある」。これまで進展報告書はそのための有効な手段として機能してきた、と広報官は説明した。
ドイツのキリスト教社会同盟(CSU)のマルクス・フェルバー欧州議員は、「もし夏までに顕著な進展が見られない場合、欧州委員会は保護条項の発動を考えねばならない」。ブルガリアとルーマニアの問題は「EUの信頼性に対するテスト」なのだ、と主張した。
EUはこの3年間、ブルガリアとルーマニア両国政府に、司法システムの改善ならびに汚職撲滅体制の強化のため、巨額の補助金を送っている。欧州委員会の報告によれば、2004年以来ルーマニアにはおよそ6300万ユーロ、規模のずっと小さな隣国ブルガリアには2億1800万ユーロもの補助金が投じられている。ブルガリアの補助金が大きいのは、税関や国境警察の汚職防止プロジェクトならびに組織犯罪撲滅プロジェクトに対する支援もあるためとされている。
原題:EU-Kommission kritisiert Bulgarien und Rumaenien