2008年2月4日(月)11:20

セルビアは親EU路線を選択

ベオグラード/ブリュッセル(AFP)

セルビア国民はボリス・タディッチ大統領を僅差で再選し、同国の親EU路線を選択した。中央選挙管理委員会の最初の発表では、タディッチ候補が51.1パーセントの票を獲得し、47.2パーセントの極右民族派トミスラフ・ニコリッチ候補を押えた。EU議長国スロヴェニアはタディッチ大統領に祝辞を送った。ドイツ政府も現職の再選を歓迎した。大統領の支持者は、ベオグラードの共和国広場で花火を上げ、クラクションを鳴らし、勝利を祝った。

選挙の結果は、引き続きセルビアを欧州連合加盟に向けて前進させようという国内の民主勢力の断固たる意思を現すものだ、とスロヴェニアのヤネス・ヤンシャ首相は語った。「セルビア国民は自国の未来をEUの中に見ていることを明らかにした」とドイツ政府のトーマス・シュテーク副広報官は述べた。「これは欧州全体にとって良いニュースである。」

「私たちは多くのEU加盟国にこの国の民主的潜在能力を示すことができた」とタディッチ大統領はベオグラードで支持者に呼びかけた。「私たちは今日、コソボのセルビア人に後ろ盾を与え、決して彼らを見捨てないことを示した」。私はすべての国と協力する意思がある。しかしセルビアが尊重されることも要求する、と大統領はセルビアのコソボ自治州の独立の動きを睨んで語った。

タディッチ大統領は、セルビア文化揺籃の地と見なされるコソボの分離独立を拒否している。しかし、ほとんどのEU加盟国がコソボ独立を承認すると見られているにもかかわらず、大統領は親EU路線以外にセルビアの道はないと考えている。セルビアのヴォイスラフ・コシュトニツァ首相は決選投票前、EUの支持するコソボ独立の動きに対してタディッチ大統領が厳しく対抗しなかったとして大統領への支持表明を拒んでいた。

EU議長を務めるヤンシャ首相はタディッチ大統領に対し、安定連合協定に必要な改革を「精力的に」推進するよう求め、とりわけハーグの旧ユーゴ国連戦犯法廷との「全面的な協力」が重要であると指摘した。

セルビアとEUとの間の安定連合協定の調印は先週オランダの圧力により、セルビア政府が逮捕状の出ているラトコ・ムラディッチ戦犯容疑者の身柄を引き渡すまで凍結されることが決まっている。

原題:Serben entscheiden sich fuer pro-europaeischen Kurs




ホームへ戻る