2008年2月22日(金)14:48

EUはセルビアのEU接近政策を当面凍結

ブルド(AFP)

ベオグラードの西側大使館への放火事件を受けて、欧州連合はセルビアのEU接近政策を当面凍結した。EUのハビエル・ソラーナ外交上級代表はすみやかに「平静に戻る」よう要求した。さもなくばセルビアと安定連合協定の交渉は再開されない可能性がある、とソラーナ代表は警告した。同協定はEU加盟の最初のステップと見なされている。セルビアのボリス・タディッチ大統領は平静と自制を呼びかけた。ヴク・ジェレミツ外相はドイツ第一放送(ARD)に、外国大使館への襲撃は許されないもので、繰り返されてはならないと述べた。

「セルビアは大使館を守る義務がある」とソラーナ代表は述べた。ベオグラードではコソボの独立承認に反対する大規模なデモが行われた。暴力的な参加者はデモ終了後、大使館地区に向かい、アメリカ大使館に火をつけた。その際死者が1名出たが、アメリカ大使館職員ではない。ドイツ大使館も襲撃を受けた。この騒乱で少なくとも30名以上の警察官を含む90名以上の人々が負傷した。

これによりコソボ問題は決定的にセルビアとEUの関係に立ち塞がる問題となった。1月末には、すでに成文化された安定協定の調印がオランダの反対で延期されたばかりである。オランダ政府は、セルビア政府がかつてのボスニア・セルビア軍のラトコ・ムラジッチ司令官の身柄引渡しを行うことを調印の条件としている。2月初めにはEUとの仮協定がセルビアのヴォイスラフ・コシュトニッツァ首相の抵抗で調印延期となった。コシュトニッツァ首相はこれにより大半のEU加盟国がコソボの独立を承認することに抗議しようとした。

EU議長国を務めるスロヴェニアのカール・エリャヴェツ防衛相はセルビア政府に対し、事態の沈静化を図る明確なシグナルを求めた。親EU派のタディッチ大統領が決定的な役割を担っていると同防衛相は述べた。タディッチ大統領は2週間前に再選を果たしたばかりである。「私は彼を信じている」と防衛相は述べた。

一方、欧州評議会のテリー・デイヴィス議長は、ベオグラードで起きた暴力的抗議に関して「ショックであり悲しい」と語った。またイギリス出身のデイヴィス議長はセルビア政府に対して、一切の暴力行為を厳しく戒め、騒乱の再発を防ぐよう要求した。セルビア政府は自らが組織したデモが制御不能に陥らぬよう手を尽くす必要がある、と議長は批判した。

原題:EU legt Annaeherung zu Serbien vorerst auf Eis




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