2010年2月24日(水)14:54
フランクフルト・アム・マイン(AP)
欧州委員会は水曜日、アイスランドとの加盟交渉の開始を支持した。破綻したインターネット銀行アイスセーブのEU加盟国民に対する預金補償問題にもかかわらず、欧州委員会のステファン・フューレ拡大担当委員は今年中にも加盟協議を開始できると考えている。だがそのためにはイギリスとオランダを含む加盟全27ヶ国の承認が必要とされる。
アイスランドは3月6日に、約40億ユーロにのぼるイギリスとオランダへの補償を問う国民投票を実施する。アイスランド政府はこのお金で、自国の預金者へのイギリス、オランダ両国政府の前払いに対する補償としたい意向である。しかし世論調査によれば、アイスランド政府の計画は国民投票で否決される恐れがある。
だがチェコ出身のフューレ拡大担当委員は、アイスランドがイギリス、オランダ両国と合意を見いだせるとの確信を表明した。私はこの問題に関する最近の双方の発言で「勇気づけられた」とフューレ委員は述べた。その一方で委員は、金融市場危機で大きな打撃を受けたアイスランドが金融市場規制に関するあらゆるEU規定を厳格に国内法に移せるか、欧州委員会は厳しく見守るつもりである、と強調した。
アイスランドは欧州経済圏の長年の加盟国として、EU法の多くをすでに国内に適用している、とフューレ委員は述べた。「しかしだからといって、アイスランドがすでに加盟条件を満たしているということではない」。他の加盟候補国と同様、アイスランドもいわゆるアキ・コミュノテールというEU法の総体系を国内適用させねばならないのだ。「EU加盟の道には近道はない」、とフューレ委員は説明した。
フューレ委員は、とりわけアイスランドの漁業部門で改革が必要だと述べた。同委員の専門家チームによる分析では、アイスランドは自国の領海を他のEU加盟国の漁船に開放する必要があるという。これまでアイスランドは自国の領海を外国の競争から隔離保護しており、漁が許されるのはアイスランドの国民と企業に限られている。
外国の漁船の操業を認めることはアイスランドにとっては容易なことではない。なぜなら漁業は小さな島国にとってきわめて重要性が高いからである。欧州委員会によれば、人口約30万のアイスランド国民のうち、およそ4,000人が漁業部門で働いている。漁業は年間約8億ユーロの売上をあげており、これは2008年の100億ユーロの国内総生産のうち、8パーセントに相当する。
また欧州委員会はアイスランドに対して司法の独立を強化するよう求めた。フューレ委員は、だが問題点は一つだけ、すなわちアイスランドの裁判官が法務省の任命によるという点のみであると説明した。
アイスランドのオッシュル・スカルプヘイジンソン外相は欧州委員会の態度決定を歓迎した。「私は欧州委員会が表明したアイスランドに対する信頼を嬉しく思う」と記者発表で述べた。
原題:EU-Kommission empfiehlt Beitrittsverhandlungen mit Island