2011年2月26日(土)15:44

エルドアン首相のドイツ訪問を控えトルコEU加盟について論争

AFP

トルコのレチェップ・タイイップ・エルドアン首相のドイツ訪問を直前に控え、トルコのEU加盟問題で新たな論争が持ち上がった。エルドアン首相はライニッシェ・ポスト紙Rheinische Postでドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)に対して、トルコのEU加盟問題でこれまでの路線を変更するよう求めた。一方、キリスト教民主同盟・社会同盟(CSU)のフォルカー・カウダー議員団長はトルコとの加盟交渉をストップするようEUに求めた。

エルドアン首相は日曜日にドイツを訪問する予定である。月曜日にはメルケル首相と一緒にハノーファーのコンピュータ・メッセの開幕式を執り行う。エルドアン首相は加盟交渉に関して、あからさまな差別が行われていると指摘した。「いまだかつて加盟候補国にこれほどの政治的障害が設けられたことはない」。トルコ国民は、ドイツが「EU内でトルコ加盟交渉の先駆的役割を担ってくれる」ことを期待している、とエルドアン首相は述べた。

一方カウダー議員団長はライニッシェ・ポスト紙に対して、「私はトルコが完全な宗教の自由を保証しない限り、トルコ加盟協議で新たな交渉分野を開始しないようEUに求める」。もはやトルコについては言葉ではなく、明確な行動で測らねばならない、とCDU所属のカウダー議員団長は語った。「これには私見ではギリシャ正教会が再びトルコで司教を教育することも含まれる。」

エルドアン首相は統合政策に関して、3年前のドイツ訪問で論争を呼んだのと同じ主張を繰り返した。首相はあらためてトルコ移民の同化Assimilationを厳しく批判した。ドイツで暮らすトルコ人から母国の言葉と文化を奪うことを狙う統合政策は「国際法に違反する」とエルドアン首相は述べた。

さらにエルドアン首相はドイツに対して、今後の統合政策でトルコと密接に協力するよう求めた。これまでドイツではこの問題に関する「トルコの当局の見解」が充分考慮されていなかった、と首相は語った。

EU加盟交渉の問題ではエルドアン首相はメルケル首相の前任者であるゲルハルト・シュレーダー前首相から支持を得た。「トルコに対してEU正式加盟の代わりに実体のない特権的パートナーシップを提供するなどというたわごとはやめねばならない」とシュレーダー前首相はハノーファーシェ・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙Hannoversche Allgemeine Zeitung に語った。

自由民主党(FDP)議員団のゼルカン・テーレン統合政策広報担当は、ドイツの統合政策に対するエルドアン首相の批判を的外れと評した。

原題:Vor Erdogan-Besuch Streit ueber tuerkischen EU-Beitritt




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