2012年2月8日(水)
AFP
欧州委員会はブルガリアとルーマニアの汚職に対する対策が依然不十分と見ている。加えて欧州委員会は水曜日に発表された報告書の中で、透明で有効な司法制度の構築を進めるよう両国に勧告している。ルーマニアはブルガリアよりもずっと良い評価を得たが、両国の速やかなシェンゲン圏加盟という期待に応える内容ではなかった。
ルーマニアとブルガリアは2007年以来欧州連合の加盟国であるが、EUは継続的に両国の汚職や組織犯罪撲滅への取り組み、ならびに独立した司法制度の構築に関する進展状況を監視している。その欧州委員会の報告書では常に不備が指摘されているため、旅券検査を廃止したシェンゲン圏への加盟はこれまで見送られてきた。
欧州委員会は今回発表した中間報告で、新たな民法および汚職の裁判手続きの迅速化の点で政治・行政の高いレベルにおいて進展があったと認めている。しかし依然、「透明で実行力のある裁判手続き」を保証すべく、汚職撲滅や司法の強化に向けた取り組みが必要であると勧告している。
ルーマニア政府は欧州委員会の評価を歓迎した。「このポジティブなシグナルは、数年前に私たちが定めた方向性を今後も継続するようにという励ましになるだろう」と法務大臣を兼務するカタリン・プレドユ首相はブカレストで語った。だが隣国ブルガリアの評価はずっと低いものであった。これは速やかなシェンゲン圏加盟という両国の希望に水を差すものである。
なぜならこの問題ではルーマニアとブルガリアが一括して扱われており、どちらか一国のみが加盟することはないからである。欧州委員会の報告書は組織犯罪に対してブルガリアが独自の法廷と検察を設けたことを称賛する一方で、司法改革を進め、「汚職と組織犯罪撲滅における説得力のある成果を挙げること」を勧告している。
加えて欧州委員会はブルガリアに対して、「とりわけ国境地帯や地方行政において、汚職の防止と撲滅に向けたさらなる措置を取ること」をはっきりと要求している。ブルガリアはシェンゲン圏に加盟する場合はEUの外部国境を守らねばならない、と報告書は求めている。
シェンゲン圏加盟に関する決定は欧州委員会の管轄ではなく、決定はEU加盟国の全会一致による。しかしその際、欧州委員会の評価が一定の役割を果たす。これまでオランダが両国のシェンゲン圏加盟を阻止してきた。ドイツはさしあたり両国に水路および空路を開放するとの譲歩案を提案したが、これもオランダ政府の反対で否決された。
「両国における進展は明らかだ。とりわけルーマニアである」とオランダのベン・クナーペンEU担当相は欧州委員会報告書についてコメントした。「これは一歩前進と言える。しかしまだまだなすべきことがある。」クナーペンEU担当相は7月に発表される年次報告書を踏まえて、オランダ政府は肯定的内容の報告書が続くことを期待すると述べた。
原題:EU ermahnt Bulgarien und Rumaenien zu mehr Einsatz gegen Korruption
Bericht Daempfer fuer Hoffnung auf raschen Schengen-Beitritt