2012年2月24日(金)
AFP
セルビアは速やかなEU接近の可能性を明確に高めた。EUの仲介するセルビアとコソボの対話において双方は重要な点で合意に達した、とEUのキャサリン・アシュトンEU外交上級代表はブリュッセルで発表した。セルビアはこれによりEU加盟国の要求に従った形になる。EUは来週、セルビアにEU加盟候補国の地位を認めるか否かを決定する予定である。
ベオグラードのセルビア政府はかつてのコソボ自治州の独立を承認していない。過去数ヶ月、セルビア系住民が圧倒的多数を占めるコソボ北部、とりわけセルビアとの国境地帯において、たびたび衝突が起きていた。両国の接近はEU諸国がセルビアをEU加盟候補国として承認するための条件である。決定は来週行われる予定である。
EUの仲介するセルビアとコソボの交渉ラウンドは9回目で打開に至った。セルビアはコソボの独立を承認しないものの、コソボに対して独自に地域レベルの協定を調印し、会合に参加する権利を認める規定に合意した。これまでは国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)がコソボの代わりに協定に調印していた。
加えてセルビアとコソボは、すでに昨年12月に合意した共同の国境の管理ならびに旅行の自由に関する規定を最終的に承認した。これにより双方は国境警備所の予算と配置などの問題を解決することができる。コソボは木曜日、数ヶ月間封鎖されていた国境警備所の開放を発表した。セルビアのボルコ・ステファノヴィッチ予備交渉担当官は「難しい交渉」を終えて安堵の表情を示した。
コソボのハシム・サチ首相は、この合意は「コソボをEUのコソボ」にするものであり、協定はコソボの国際社会統合への「鍵」となると語った。セルビアのボリス・タディッチ大統領は、EUへの接近を目指してあらゆる障害を除去することは「最高の国家利益」にかなうと強調した。
「この合意は大きな前進である」とアシュトンEU外交上級代表と欧州委員会のシュテファン・フューレ拡大担当委員は交渉の結果を歓迎した。両者はとりわけセルビアにとってEU加盟候補国承認に関する協議に関して大きな意味があると強調した。
昨年12月のセルビアのEU加盟候補国としての承認は、とりわけドイツの強い要求によって延期された。その直前、セルビアのデモ隊がNATO指揮下のコソボ治安維持部隊(KFOR)に属するドイツ人兵士を負傷させる事件が起きていた。しかし今回の合意を受け、来週月曜日と火曜日に開かれるEU各国の外相およびEU担当相会議でセルビアのEU加盟候補国承認について協議が行われ、今週末のEU首脳会議で決定が下される予定である。
ドイツのギード・ヴェスターヴェレ外相(自由民主党FDP)はセルビアに希望を与えた。「私はセルビアとコソボの交渉担当者が今日ブリュッセルで双方の将来の協力に関する未解決の問題について合意に達したことを嬉しく思う」。両国の政府による交渉結果の確認は「セルビアの加盟展望に関する来週のEU協議にとってきわめて重要な路線決定につながる」と外相は述べた。
フランス、イタリア、オーストリアの外相も今週共同書簡を発表し、セルビアに加盟候補国の地位を承認するよう求めていた。「私たちはセルビアの進展に関する徹底的な分析を行い、条件が満たされたとの結論に至った」と三ヶ国の外相は共同書簡で述べている。しかしEU外交筋はさらなる議論が必要だとしていた。加盟候補国の承認はEU加盟国の全会一致が必要とされている。
原題:Serbien erhoeht Chancen auf rasche Annaeherung an die EU
Einigung mit Kosovo auf wichtige Punkte der Kooperation