2012年2月28日(火)
AFP
ルーマニアは意外なことにセルビアにEU加盟候補国の地位を認める決定を阻止した。EU加盟国の外相・EU担当相はブリュッセルで開かれた会合の後、今週末のEU首脳会議に向けてセルビアをEU加盟候補国とする勧告を行ったが、ルーマニアの反対のため、全会一致の決定には至らなかった。ドイツのギード・ヴェスターヴェレ外相(自由民主党FDP)はルーマニアを厳しく批判した。
EU各国外相・EU担当相は、EU首脳会議に対して「セルビアに加盟候補国の地位を認めるよう勧告する」と発表し、この勧告が木曜日の首脳会議で認められることを期待している。ヴェスターヴェレ外相は「ドイツの見解では今日の段階で決定的かつ最終的な決定が下されたとしても適切で正しかったと考える。」「しかしルーマニアが今日決定的な承認をできる状況になかったため、勧告に留まった。私はこれをきわめて残念に思う。」
問題となった点は、セルビア在住の少数民族でルーマニア語を話すヴラフ人Vlachenである。ルーマニアは、セルビアが推計で30,000人のヴラフ人をルーマニア人として認めることを要求しているが、セルビアのヴラフ人自身これを求めている様子はない。セルビア外務省が10年前の人口調査に基づきインターネットで発表している数字によれば、ヴラフ人はセルビア国民の約0.5パーセントを占めているという。
外交筋は、この件はこれまで一度も問題とならなかった、とルーマニアの要求に驚きの表情を見せた。ヴェスターヴェレ外相はルーマニア政府を厳しく批判した。「この問題ではルーマニアの内政が外交の代表を操っていた。」
木曜日のEU首脳会議までにルーマニアとセルビアは解決策を見出し、合意を可能にする必要がある。加盟候補国の承認は全会一致でしか行われない。ルーマニアが阻止姿勢を放棄する見返りとして、たとえばシェンゲン圏への速やかな加盟などが考えられるが、外交筋によればルーマニアの代表団は見返りを要求していないという。
セルビアとコソボは先週、共同の国境の管理など一連の問題を解決し、これによってEUの主要な要求を満たした。「それゆえ私たちEU側が約束を守ることが正しく理にかなっている」とヴェスターヴェレ外相はルーマニアの阻止姿勢に苛立ちを示した。
セルビアがEU首脳会議で加盟候補国として承認される可能性があるので、コソボに対しても譲歩を示す必要がある。EU各国外相・EU担当相は、欧州委員会がコソボとの安定連合協定締結の実現可能性を調査する意向があることを「承知した」。この外交上の言い回しが用いられたのは、EU加盟国のうち依然5ヶ国、すなわちルーマニア、スペイン、キプロス、ギリシャ、スロヴァキアがかつてのセルビアから独立したコソボを独立国家として承認していないことが背景にあるためである。
原題:Rumaenien blockiert EU-Kandidatenstatus fuer Serbien
Streitpunkt ist rumanischsprachige Minderheit im Land