2013年2月24日(日)

トルコEU加盟をめぐる議論が高まる

ベルリン/アンカラ(dpad)

トルコのEU加盟をめぐる議論に新たな勢いが生まれた。ギード・ヴェスターヴェレ外相(自由民主党FDP)は週末、速やかな加盟交渉を訴えた。日曜日2日間の日程でトルコを訪問したアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は控えめな発言にとどまったものの、トルコと欧州連合の間で新たな分野の交渉を開始することを支持した。社会民主党(SPD)のジグマー・ガーブリエル党首は引き延ばし戦術を取らぬよう警鐘を鳴らした。

ヴェスターヴェレ外相はパッサウアー・ノイエ・プレッセ紙Passauer Neue Presseで、「私たちが注意を怠れば、トルコのEUに対する関心よりEUのトルコに対する関心の方が大きくなる時が来るだろう」。加盟交渉プロセスに新たな息吹を与える必要がある。トルコがいつかEU加盟国になるか否かという問題は現在ではなく「加盟交渉の終結時に」問われる問題である、と語った。ヴェスターヴェレ外相は速やかに新たな分野の加盟交渉を開始することなどを主張した。外相は、すでにEU加盟国の外相らと「今年の上半期にもこれまで阻止されていた複数の分野の交渉開始」を実現すべく協議を始めていると語った。

トルコはすでに1999年から加盟候補国として承認され、加盟交渉は2005年に始まった。これまで全35分野のうち13分野の交渉が開始されたが、ようやく「学問と研究」の1分野の交渉が完了したのみである。メルケル首相のトルコ訪問を前に、政府筋では第22分野の「地域政策」ならびに「経済・通貨政策」の交渉開始の可能性があると伝えている。

メルケル首相は今週のビデオメッセージで、「私自身は懐疑的であるが、加盟交渉の継続に同意した。交渉はこのところやや停滞に陥っているが、これから交渉の中で一歩前進を図るべく新たな分野の協議を開始することに賛成である」と述べた。メルケル首相は、加盟交渉が結果を約束せずに行われ、「交渉の道のりはまだ遠い」ことを強調した。

FDPのライナー・ブリューデルレ議員団長も交渉のスピードを上げるよう主張し、「メルケル首相とトルコの首相の会談は再び前進するための決定的なインパルスとなりうる」とターゲスシュピーゲル日曜版Tagesspiegel am Sonntagで語った。「加盟交渉が最終的にどうなるか、この点で私たちは結果を約束していない。明確なのは現在も将来もトルコが重要なパートナーであるということだ。」

CDUの外交問題の専門家ループレヒト・ポーレンツ議員も対トルコ政策の転換を期待する。トルコの欧州連合加盟交渉が実際に成功裡に完了する可能性を踏まえておく必要がある、とドイツ連邦議会外交委員会の委員長を務めるポーレンツ議員はベルリーナー・ツァイトゥング紙Berliner Zeitung(土曜版)に語った。ポーレンツ議員はトルコとの関係規定でよく用いられる「特権的パートナーシップ」privilegierte Partnerschaft という概念をもはや役に立たないと評した。「この言葉はトルコでは否定的に受け留められており、もはや使うべきではない」と議員は警告した。

SPDのジグマー・ガーブリエル党首は、トルコ訪問の際にトルコの政府と国民に対して加盟交渉が公正に行われるというメッセージを伝える必要があるとメルケル首相に求めた。依然法治国家としての欠点があるからといって、トルコにのみ加盟交渉遅滞の責任を負わせてはならない。EU側も受け入れ態勢が整っているというにはほど遠く、改革が必要なのだ。トルコとの交渉で「引き伸ばし戦術」を取れば、むしろEUからの離反を招いてしまう、とガーブリエル党首は警告した。

メルケル首相は月曜日アンカラを訪問し、レチェプ・タイップ・エルドアン首相ならびにアブドラ・ギュル大統領と会談を行う予定である。すでに日曜日の時点で、シリア国境から約100キロ離れたカラマンマラスKahramanmarasを訪れ、駐留する約300人のドイツ兵を閲兵する計画が組まれている。同地に配備されたパトリオット・ロケットシステムはシリアからの攻撃を防ぐものである。トルコは昨年末、トルコ空域の防衛にあたりNATOに協力を依頼していた。

すでに土曜日に兵士は3ヶ国の防衛大臣の訪問を受けている。ドイツのトーマス・デメジエール防衛相がオランダのジャニーヌ・プラシェール防衛相Jeanine Plasschaertおよびトルコのイスメット・ユルマズ防衛相Ismet Yilmazとともにカラマンマラスを訪れたのである。「わが部隊の駐留は必要な限り続く」とデメジエール防衛相は強調した。

原題:Debatte ueber EU-Beitritt der Tuerkei gewinnt an Fahrt




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