2016年2月17日(火)08:15

欧州連合の危機

ドイツ通信社dpa

欧州連合は目下、自らの歴史上最大の課題と格闘している。これらの課題はブリュッセルEU首脳会議でも議題として、あるいは枠外で討議される。以下にEUの抱える問題をまとめる。

難民問題:
EUは数十万人の難民流入によって結束を厳しく試されている。EU全体での難民申請者の振り分けは依然合意が見えない。EUの対外国境の防衛は進捗していない。そのため本来は国境検査のないシェンゲン圏が崩壊の危機に瀕している。

ユーロ危機:
2015年は国家破産の瀬戸際でギリシャ救済をめぐり劇的な交渉が行われ、ユーロ圏の解体は辛うじて阻止された。しかし多額の負債を抱えるギリシャは依然難関を脱したわけではない。またポルトガルもEUの新たな悩みの種となっている。左派の新政権が財政健全化路線を放棄する意向と見られるからである。金融市場はこれを極めて批判的に見守っている。

英国のEU脱退:
英国は自らの求める改革をEUからもぎ取る意向である。さもなくば英国民は国民投票でEU離脱(ブレグジット)を選ぶだろうとキャメロン首相は威嚇する。他の多くのEU加盟国が英国の特別扱いを拒否しているため、交渉は困難をきわめる。

EUの分裂:
EU加盟全28ヶ国が共通の路線に合意できないケースがますます増えている。加えて個々のEU加盟国の中にも分裂傾向がみられる。たとえばカタロニアはスペインから、スコットランドは英国から離脱する可能性がある。

反EU政党:
一部公然とEUやユーロに反対する大衆迎合主義政党は多くの国で急速に勢力を伸ばしている。たとえばフランスの国民戦線などである。

原題:Die Krisen der Europaeischen Union




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