2016年2月22日(月)14:51
AFP
EU内部国境の検査を永続的に再開した場合、ドイツは今後10年間でおよそ770億ユーロの経済的損失を蒙る。これは明日火曜日発表のベルテルスマン財団の委託によるモデル計算から明らかになったもの。最も深刻な場合は2025年まで総額で2350億ユーロの損失に上る恐れがあるという。
国境検査の再開は経費と価格の上昇をもたらし、これが経済成長を鈍化させ、上記の経済的損失を生む、とギュータースローに本部を置く同財団は、プログノス株式会社Prognos AGの算定に基づき発表した。EU全体では損失額はシナリオによって4700億ユーロから1兆4000億ユーロになるという。
アメリカ合衆国や中国などの貿易大国も影響を受け、EU内の価格変動によって950億ユーロから2800億ユーロの損失を覚悟せねばならないという。「欧州の内部でまた遮断棒が下りるような事態になれば、もともと弱い欧州の経済成長はさらに強い圧力にさらされる。最後には皆が負担を追うのだ」と、ベルテルスマン財団のアールト・デ・フース理事長Aart De Geusは語った。
難民問題を踏まえて、消息筋の多くはいわゆるシェンゲン圏内部の加盟国による国境検査が再び導入される恐れがあると見ている。シェンゲン圏内では人とモノの移動が自由であり、検査が行われるのはEUの外的国境だけである。
ベルテルスマン財団の委託による推計では、予想される損失は国境検査によって生じる時間のロスから生まれる。これが企業の人件費を高め、今の時間正確な商品納入の流れを断つ。そのため在庫の需要が増大し、生産コストが上昇する。その結果、価格が上昇し、これがまた消費を抑え、国際市場におけるEUの競争力を低下させることになる。これは輸出にも悪影響を与えるという。
原題:Ruckkehr zu Grenzkontrollen wurde europaischer Konjunktur massiv schaden