2001年1月11日(木) 21:05

キリスト教民主同盟・社会同盟はEU拡大の遅延に対し警告

ベルリン(ロイター)

キリスト教民主同盟・社会同盟は、欧州連合(EU)の東方拡大を遅延せぬよう警告した。キリスト教民主同盟(CDU)のアンゲラ・メルケル党首とキリスト教社会同盟(CSU)のエトムント・シュトイバー党首は木曜日、欧州民主同盟(EDU)と欧州国民党(EVP)の会議において、12月のニースEU改革首脳会議の結果には批判すべき点も多いが、近い将来にEU拡大が実現するようその結果を支持しなくてはならないと述べた。ヘルムート・コール前首相(CDU)は後任者のゲルハルト・シュレーダー首相に対し、EU内でドイツの重要性をあまり誇示せぬよう戒めた。

メルケル党首は、怠った点は種々あるもののニースでは拡大の前提条件が整えられた。拡大はあるいはいささか懐疑的に論じられているきらいがあるかもしれない。今こそEUが抱えている欧州の課題と国民国家の抱えている課題を明確にせねばならない、と語った。バイエルン州首相エドムント・シュトイバーはニース首脳会議に対する批判に理解を示す一方、その批判を首脳会議の合意を批准しない理由にせぬよう警告した。これを行う者は「東方拡大を見通しのつかない将来に先送りすることになる」と州首相はEDUとEVPを構成するヨーロッパの保守政党に訴えた。

コール前首相も、ニース首脳会議ではもっと多くの進展が得られるという期待はあったが、今はこの結果をもとに最善を尽くさねばならない。欧州統合の政治に代わる代案は存在しないのである。加盟を望む中欧と東欧の国々を今なだめて加盟を先送りすることは「きわめて反道義的」である。「彼らはわれわれが欧州の再統一を望んでいることを肌身で感じる必要があるのだ」と主張した。前首相に対してEVP大会の代議員からは拍手が鳴り止まなかった。欧州名誉市民のコール前首相は、個々のEU加盟国の重要性や大きさの違いをあまり際立たせぬよう警告した。「私がドイツの首相に忠告することがあるとしたら、自らの重要性を日々主張したりせぬことである」とシュレーダー首相を戒めた。

ニース首脳会議でEUは新たな加盟国受け入れの前提となる機構改革を決議した。とりわけ加盟国の持ち票の配分見直しが行われた。このほかに2004年にEUと加盟国および加盟国内の地域との間の権限分割を協議する会議を招集することが決まった。

原題:Union warnt vor Verschleppung von EU-Erweiterung