2002年1月15日(火)18:38

フィッシャー外相はウィーンでEU拡大の弁護役を務める

しかしテメリン原発反対の国民請願に対する直接の批判は避ける

ウィーン(AP)

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相はウィーンにおいてEU東方拡大の必要性と重要性を強調した。連立政権を組む右派の自由党(FPOe)の主導する、チェコのテメリン原子力発電所に対する国民表決を暗に示唆しながら、フィッシャー外相は火曜日、これがEU拡大を遅延させたり人工的な障害を設けることに使われてはならないと述べた。

フィッシャー外相のウィーン訪問の中心プログラムは、オーストリアのベニータ・フェレロヴァルトナー外相との会談であった。会談の際、緑の党所属のフィッシャーは、この国民表決が東方拡大の新たな障害となることのないようにとの希望を表明した。しかしこの計画に対する直接の批判は避けた。これは「オーストリアの主権の問題」である。オーストリアとドイツにとっては、EU拡大がスムーズに進展することが重要である、と同外相は語った。

オーストリア国境に近い南モラビアに位置するテメリン原発は安全技術上の不備のため、すでに以前からオーストリアの原発反対論者の拒絶にあっている。しかし批評家は、オーストリアの右派がこの問題をここ数ヶ月数週間、自らの利益のために道具として利用しようとしていると批判している。

オーストリアのAPA通信によれば、フィッシャー外相は中近東問題について暴力に終止符を打ちミッチェルプランの速やかな実行を求めたという。アメリカのジョージ・ミッチェル元上院議員を委員長とする国際的な委員会が策定した和平プランは、とりわけイスラエル側が信頼の醸成をはかるべく、パレスチナ占領地への入植を即座に停止するよう求めている。

欧州連合は目下EU議長を務めるスペインのピケ外相の中近東使節の成果を待っている、とフィッシャー外相はフェレロヴァルトナー外相との会談を終えて語った。ピケ外相は火曜日アンマンで、イスラエルがパレスチナのアラファト議長に対して科した準禁足措置の解除を求めた。和平プロセスを再び軌道に乗せるため、条約上認められた行動の自由をできるだけ早くアラファト議長が回復する必要がある、とピケ外相は主張した。

フィッシャー外相はウィーンからさらにイタリアに向かい、明日水曜日に外相を兼務するシルヴィオ・ベルルスコーニ首相と会談する予定である。

原題:Fischer macht sich in Wien zum Anwalt der EU-Erweiterung
Aber keine direkte Kritik an Temelin-Volksentscheid