2002年1月22日(火)15:48
(『フランクフルター・アルゲマイネ』紙ネット版)
チェコとのEU加盟協議はオーストリアの国民請願に関わらず計画通りに進められる。これは国民投票を受けて、ギュンター・フェアホイゲンEU拡大委員が火曜日にブリュッセルで語ったもの。ドイツのユルゲン・トリティーン環境相(同盟90 / 緑の党)も同様の趣旨の発言を行った。
「オーストリアでは原子力エネルギーに対して根強い反対があることが確認された。一方、オーストリア国民の圧倒的多数はチェコとの隣人関係を危うくする意思のないことも確認された」とフェアホイゲンは論評している。
トリティーン環境相の見解では、チェコに対してEU加盟を拒むことは許されない。ドイツ政府はテメリン原発の閉鎖が最善の策であるとの明確な見解を持っているが、「まさにこの見解ゆえに、我々はチェコ共和国のEU加盟を阻むことをおよそ非生産的と考えるのである」と述べた。
トリティーン環境相は、国民の原発に対する不安を外国人を敵視する自らの目標に悪用したとして、反テメリン原発の国民請願を提唱した右派のオーストリア自由党(FPOe)および自由党のイェルク・ハイダーを非難した。オーストリア国民の国民請願の動機はたしかにテメリン原発への懸念が主であっただろう。しかしハイダーは「自らの目標の達成、すなわち外国人敵視政策の強調のために、原発に対する不安を利用したのだ」。
連立与党の自由党はこの国民請願によって、ヴォルフガング・シュッセル首相率いる国民党(OeVP)に対し、テメリン原発を理由にチェコのEU加盟を阻止するよう迫る意向であった。しかし国民党はこれをきっぱりと拒絶している。
チェコに対し、テメリン原発の環境適合性検査などの法的義務を課すことができるのは、同国がEUに加盟国した場合に限られる、とトリティーン環境相は述べた。「チェコ共和国がEU加盟国になった場合にのみ、我々は法的に訴える権利を得ることができるのである。」環境相はこれに関連して、国境を越えた任意的なテメリン原発環境適合性検査の一環としてドイツ国民に対する住民ヒアリングを行う計画を、チェコ政府が以前の合意に反して「一方的に今年の末に延期した」ことを批判した。環境相は、将来チェコがEUに加盟すれば「自由化された欧州エネルギー域内市場の一員として、テメリン原発などおよそ物の数に入らないことをいやおうなく気づかされるであろう」と考えている。
原題:Trittin: Tschechien wegen Atomstreit nicht den EU-Beitritt verwehren