2002年1月25日(金)08:49

ギュンター・グラスはアメリカに対する「批判的な関係」を求める

ベルリン(ドイツ通信社)

ノーベル賞作家のギュンター・グラスは、ヨーロッパ人がアメリカに対して「より批判的な関係」をとるよう求めた。テロリズムを武力で撲滅するだけでは充分ではない。統合されたヨーロッパは大国アメリカとの対立において新たな役割を担う必要がある。「これは反アメリカ主義などとは無関係である」、とグラスは述べた。

グラスは、芸術アカデミーがドイツとポーランドの知識人を招いて行ったEU東方拡大に関する議論に参加した。両国の歴史上、現在ほどドイツとポーランドの関係が良好だった時代はない。多くの世代がドイツに対する憎悪の中で育てられた後、現在のような両国関係が打ち立てられたのは「奇跡」である、とワルシャワの歴史家で編集者のアダム・ミフニックは述べた。

ポーランドとドイツの関係においては「切り離す要素よりも結び付ける要素の方がずっと多く」存在する、と著述家のヴアディスワフ・バルトシェフスキ前外相は強調した。ポーランドとかつての東ドイツの人々の間にはごく僅かの違いしか認められない。「両者とも自らの選択でない様式で生活してきたのだ」と前外相は語った。

グラスは、計画中のEU拡大では「双方の不安を軽視することのないよう」警告を発した。私見では、ドイツ人とりわけ旧東のドイツ人は職場を失うことを一番恐れている。一方、ポーランドの零細農家にとってEU農業政策の下で存続をはかるのは困難な状況である、とグラスは述べた。

原題:Grass verlangt "kritischeres Verhaeltnis" gegenueber den USA