2003年1月8日(水)14:26

ドイツ農業協会はEU拡大による失業を懸念

ミュンヒェン(AP)

ドイツ農業協会の見解によれば、EU東方拡大は価格の下落と職場の喪失を招く恐れがあるという。域内市場が2004年以降、西は大西洋から東はハンガリーのプスタまで、北はノールカップ岬から南はシチリアにまで及べば、安い食料品や低廉な原材料がドイツ市場に氾濫するだろうとドイツ農業協会のフィリップ・フライヘア・フォン・デム・ブッシェ会長は水曜日ミュンヒェンで語った。しかし拡大は高級品やバイオ生産品などにとってチャンスをももたらすと会長は付言した。

ブッシェ会長は、拡大は農業分野の構造変革を促進することになろうと述べた。「現在ドイツでは毎年3%から4%が農業をやめている」。また2人に1人は副業で農場を経営している。しかし最近では再び若い、優秀な教育を受けた農家が農場を譲り受ける傾向にある、と会長は語った。

ブッシェ会長によれば、農業の職場は投資コストが高くつくため、市場変動にとりわけ敏感であるという。職場一つが土地抜きでおよそ500,000ユーロの資本を必要とするという。情報によれば、現在およそ450万人がドイツの農業部門で働いている。EU拡大後は多くの職場が失われるか東に移される恐れがあるとブッシェ会長は語る。

拡大後のヨーロッパの農業について、会長は長期的には二つの展開戦略を描いている。すなわち、経営者の大多数が安価な原材料を食品加工業向けに生産する一方で、地域の農家は特産品や自然農産物を生産し、それによって消費者に対して一層の品質と安全性を提供するというものである。

しかしドイツ農業はもはやこれ以上隙間市場に向ってはならないとブッシェ会長は政治に警鐘を鳴らす。そうなれば、生産をコントロールできない規格品の輸入拡大を招くことになる。欧州市場の開放によって環境保護、生物保護、食の安全という消費者の関心がないがしろにされることがあってはならないのだ、と会長は警告した。その一方で、大多数の消費者は購入にあたって依然として生産条件でなく価格で判断するだろうとも指摘した。

ブッシェ会長は2003年にはドイツの農家は前年以上に収益が悪化すると予測する。農家の収入はおそらく10%から15%低下すると会長は見ている。

http://www.dlg.org.de

原題:Landwirtschaft fuerchtet Jobverluste wegen EU-Erweiterung




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