2004年1月6日(火)21:01

プローディ委員長は「二つの速度のヨーロッパ」が生まれると警告

ダブリン(AP)

欧州委員会のロマーノ・プローディ委員長は、今年からEU議長に就任したアイルランドのバーティー・アハーン首相と会談し、EU憲法の速やかな合意を強く求めた。12月に頓挫した憲法協議は速やかに完了する必要がある。さもなければ加盟国の一グループが独自に欧州統合を進めることになろう、と同委員長はダブリンにおけるアハーン首相との記者会見の席で述べた。

「私たちは永遠に待つことはできない。どこかの国が模範を示す形で先行統合するという時が来るだろう。ヨーロッパはいつもいつも最も遅い車輌にスピードを合わせられるわけではない」とプローディ委員長は語った。歴史的に見ればこれまで、ためらいがちな国々に統合プロセスで先行するグループがたびたびEU内に形成されてきた、と委員長は述べ、スウェーデン、イギリス、デンマークがいまだ導入していないユーロを例に挙げた。

これに対してアハーン首相は近々25ヶ国になる加盟国すべてが合意する期待を表明した。プローディ委員長の描く二つの速度のヨーロッパというシナリオに関して、「私たちは起こり得ることに目を向けたくはない」と首相は述べ、合意を導くべくあらゆる策を講じるつもりであると語った。

プローディ委員長は欧州委員会の他の20名の委員とともにアイルランドを訪問し、同国政府と今年上半期のEUのタイムスケジュールを協議した。アイルランドの任期は輪番制により半年後には他の国に引き継がれる。EUは5月に議長国アイルランドのもとで、東欧8ヶ国ならびにキプロスとマルタの新規加盟というEU史上最大の拡大を果たすことになる。

こうした背景を踏まえてプローディ委員長はあらためてEU予算の2006年水準の凍結に対して反対の姿勢を表明した。これは、不首尾に終わったEU首脳会議の後にドイツなどの国々が求めたものである。もしEUが競争力を保とうと望むなら、教育・研究予算は増額する必要がある、と委員長は主張した。

原題:Prodi droht mit Europa der zwei Geschwindigkeiten




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