2004年1月9日(金) 20:24

フィッシャー外相は欧州憲法草案への支持を求める

ベルリン(AFP)

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)はすべてのEU加盟国に対して、今年中に欧州憲法草案に合意するよう強く求めた。欧州政策に関する国際談話フォーラムの初日、フィッシャー外相は外務省で政界と経済界の欧州政策のリーダーおよそ60名を前に、ドイツ政府は欧州憲法の合意を政府の優先課題と宣言したと述べた。これより前トルコのレチェプ・タイイップ・エルドアン首相はベルリンのクロイツベルク地区を訪問し、トルコのEU加盟に対する支持を求めた。

「誰も二つの速度のヨーロッパによる新たなヨーロッパ大陸の分断を望んではいない」。しかし憲法草案の合意が得られなければ、「異なる統合速度が生まれるだろう」。それゆえ憲法を今年中に成立するべく、あらゆる努力を傾ける必要がある。EU拡大を目前に控えたドイツ政府の中心目標は、25ヶ国のEUを「一層行動能力を高め、一層民主的で透明な」共同体にすることにある、とフィッシャー外相はベルテルスマン財団の後援による会議の席で語った。

アイルランドのバーティー・アハーン首相は、アイルランドはEU議長国として「危険な真空状態」を回避し、EU憲法を成立に向けて前進させるべく、できる限りのことを行う意向であると表明した。

エルドアン首相は多くのトルコ人が居住するクロイツベルク地区を訪問し、「私たちは欧州連合の家族の一員となるのだ」と述べた。共通の経済的、政治的利害に基づくトルコの加盟はEUにとって「大きな利益」となるだろう。世界は現在「異なる宗教と文化の間で一種の冷戦状態」に陥っているが、私の考えではEUは「さまざまな文化間の歩み寄り」を実現している。地理的位置ではなく欧州統合への能力と意思が問題になるのだ。トルコ政府はイスラムが近代化と結びつきうることを示すつもりだ、と首相は語った。

フィッシャー外相もトルコにEU加盟展望を開いておくよう訴えた。もしトルコが民主的法治国家の基準を満たす国に発展することができれば、これは隣国や中東地域に対する重要なシグナルになるだろう、と外相は述べた。

これに対しキリスト教民主同盟(CDU)のフリートベルト・プフリューガー外交政策担当は『ハノーファー一般新聞』Hannoversche Allgemeine で、EUは当分の間はトルコを受け入れる「状況にない」と発言した。

原題:Fischer wirbt fuer europaeischen Verfassungsentwurf




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