2004年1月15日(木)18:55

プローディ欧州委員長は「EU加盟に近づいた」とトルコを評価

アンカラ(AP)

欧州委員会のロマーノ・プローディ委員長は、トルコのEU加盟に向けた改革路線の進展を認める一方、アンカラ訪問でキプロス問題の解決を勧告した。木曜日アンカラでトルコのレチェップ・タイップ・エルドアン首相との会談を終えた同委員長は、「私の最も重要なメッセージは、改革路線を継続してほしいということだ。これまで感嘆すべき進展が成し遂げられたのだから」。「トルコは欧州連合に近づいた」、 と記者会見の席で語った。プローディ委員長の訪問は、40年ぶりの欧州委員長のトルコ訪問となる。

晩のトルコ議会での演説でプローディ委員長は、キプロス問題の解決はトルコのEU加盟展望を著しく広げるであろうと述べた。「これは公式の条件ではないが、政治の現実なのだ。」ギリシャ系の南キプロスは他の9ヶ国とともに5月にEU加盟を果たす予定である。一方北キプロスは1974年以来トルコが占領している。現在およそ40,000人のトルコ軍が島に駐留している。法的には5月1日に全キプロスがEUに加盟することになるが、北部ではEU法は適用されない。

トルコのほかにはブルガリアとルーマニアが加盟を待っており、この両国は2007年の加盟が見込まれている。欧州委員会は例年どおり11月に候補3ヶ国について加盟進捗状況の報告書を発表する予定である。トルコの状況に関する年末のEU加盟国の決定はこの欧州委員会報告に基づいて行われるものと予想される。欧州委員会はトルコがそれまでに交渉開始の基準を満たすことは充分ありうると考えている、とフィローリ広報官は述べた。

欧州委員会は昨年11月の報告書でトルコの加盟に向けた進展を認めたものの、一方でさらなる努力が必要と勧告し、とりわけ司法の独立、基本的人権ならびに宗教、言論、集会の自由、および軍隊の完全な文民統制を挙げている。

プローディ委員長のトルコ訪問では、ネズデット・セゼル大統領およびアブドラ・ギュル外相との会談なども予定されている。委員長はまた拡大担当のギュンター・フェアホイゲン委員を伴い、アンカラのトルコ議会で演説を行う予定である。前回の欧州委員長のトルコ訪問は1963年に遡る。

これより前、プローディ委員長とフェアホイゲン委員はハンガリーを訪問した。二人は首都ブダペストでフェレンツ・マドル大統領から、目前に控えたハンガリーのEU加盟に対する貢献に対して表彰を受けた。この訪問でプローディ委員長はEU加盟国および加盟候補国に対して、6月の欧州議会選挙前に欧州憲法で合意を図るよう呼びかけた。

原題:Prodi sieht Tuerkei "naeher an der Union"




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