2004年1月21日(水)21:07

トルコは国連のキプロス調停案を受け入れる意向

アンカラ(AP)

トルコのアブドラ・ギュル外相は、国連のコフィ・アナン事務総長が提案したキプロス再統一案を今後の協議の基本案および推奨案として受け入れる用意があると表明した。しかしトルコのEU加盟協議も直ちに開始されねばならないと同外相は水曜日、ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相との共同記者会見の席で述べた。

EUはキプロスの再統一をトルコとのEU加盟交渉の開始条件とは明言していないものの、再統一が実現しない場合、交渉開始を拒否する可能性が高い。南部のギリシャ系のキプロス共和国は5月1日にEU加盟を果たすため、トルコはそれまでに再統一に関する協定を成立させるよう強く迫られている。

フィッシャー外相はトルコの進める改革を「感嘆すべき」beeindruckend と賞賛する一方、具体的な改革の実現に向けて一層の努力を促した。EUは今年末にトルコとの加盟交渉開始について決定を行う意向である。

フィッシャー外相は『シュテルン』誌とのインタビューで、トルコをしっかりと繋ぎとめておくことは欧州にとって「ミサイル防衛システム以上に重要である」と述べた。さらに同外相は、これは21世紀の欧州の安全保障にとって中心的戦略決定事項に数えられる。トルコにおいて民主主義とイスラムを開かれた社会の中で統合させることができれば、これは極めて大きな意義を持つだろう。しかしEUがトルコの鼻先で扉を閉ざせば、「私たちは高い代償を払うことになろう」、と語った。

トルコは1963年にEU加盟の約束を取りつけている。正式な加盟候補国へのレールが敷かれたのは、ドイツがEU議長国を務めた1999年のことである。昨年9月トルコのレチェップ・タイップ・エルドアン首相はベルリンを訪問した。その際ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、トルコがEUの一員となることはドイツの関心事であると強調した。

キリスト教民主同盟(CDU)のアンゲラ・メルケル党首は2月にトルコを訪問する予定である。外交政策を担当する、キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)議員団のヴォルフガング・ショイブレ副団長も同行する。トルコのEU加盟に対するキリスト教民主同盟・社会同盟の拒絶姿勢が会談の中心テーマになるものと予測される。

原題:Tuerkei will UN-Plan fuer Zypern als Empfehlung akzeptieren

訳注: 1月15日にプローディ欧州委員長も同じ「感嘆すべき」beeindruckendという言葉を用いてトルコの改革を評価している。(同日のニュース「プローディ欧州委員長は『EU加盟に近づいた』とトルコを評価」を参照)




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