2004年1月27日(火)14:28

ヴェイユ元欧州議会議長:「EU新規加盟国は自らの歴史を見直すべき」

ベルリン(ドイツ通信社)

ホロコーストの生存者でかつて欧州議会議長を務めたシモーヌ・ヴェイユは、東欧のEU新規加盟国に対して「勇気と尊厳をもって」自らの歴史を見直すよう呼びかけた。ヴェイユは火曜日ベルリンで開かれたドイツ連邦議会のナチス犠牲者追悼式典で、ショアーすなわちナチスによるユダヤ人の組織的殲滅は東欧の数ヶ国ではいまだ充分に認識されているとは言えない、と述べた。

数十年に及ぶソビエト支配を経て「ナチの犠牲者は共産主義の犠牲者に押し退けられてしまった」。「それ以上に悪いのは記憶と歴史が時に操作され」共産主義者のもたらした苦しみが「反ユダヤ主義の口実に使われる」という状況である。フランスでもようやく1990年代に「ヴィシー政権の犯罪に対する国の直接責任が公に認められるようになった、とヴェイユは祖国フランスについて振り返った。

ナチス犠牲者追悼日の式典には、ヴォルフガング・ティールゼ連邦議会議長、ヨハネス・ラウ大統領、ゲルハルト・シュレーダー首相および全閣僚が出席した。シモーヌ・ヴェイユは1944年4月にアウシュヴィッツに送られ、同地およびベルゲン・ベルゼンの強制収容所で13ヶ月間拘留された。「彼女は強制収容所を生きて出ることができた数少ない生存者の一人である」とティールゼ議長は演説の中で述べた。

ティールゼ議長とヴェイユは、「どの世代もその世代独自の心に刻む (Erinnern)方法と形式を見出しうるし、見出すだろう」という確信を表明した。ユダヤ中央評議会のパウル・シュピーゲル議長は式典の枠外で、「想起の時間」Stunde der Erinnerung をすべての学校に導入するよう主張した。「私たちが記憶を若い世代に受け渡すことをしなければ、このような追悼日は意味を失ってしまう」と同議長はドイツ通信社に語った。それも「静かな回想」stilles Gedenken などではなく、たとえば「プロジェクト週間を設けてテーマを準備する」というようなことが大切なのである、と議長は述べた。

ティールゼ議長は、第二次大戦後60年足らずの間に10万人のユダヤ人が再びドイツで暮らしていることを「特別な信頼の証し」と評した。さらに議長は、ドイツのユダヤ人社会はヨーロッパで3番目の規模になった。それだけに一層の驚きを禁じえないのはドイツで再び反ユダヤ主義が台頭していることである、と語った。ヴェイユはドイツが数年前に当時のローマン・ヘルツォーク大統領の提案に基づき、アウシュヴィッツ強制収容所が解放された1月27日を追悼の日と定めたことを高く評価した。その上でヴェイユは、ヨーロッパはドイツに倣い「この道を進む」責務があると付け加えた。

原題:Simone Veil: EU-Beitrittslaender muessen ihre Geschichte aufarbeiten




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