2008年1月2日（水）17:04
ポツダム（AP）
毎週木曜日から土曜日までは同じ光景の繰り返しであった。ベルリンからフランクフルト・アン・デア・オーデルに向かうアウトバーンA12は麻痺していた。トラックがドイツ・ポーランド国境から手前数キロにわたって渋滞し、時には30km西のフュルステンヴァルデ・ジャンクションまで続いた。警察によればこの区間は事故の多発地帯でもあった。しかし12月21日以来、状況は一変した。この日、ドイツの東の隣国ポーランドとチェコ、ならびに他の7ヶ国がシェンゲン協定に加盟したからである。
これにより、トラック運転手を何時間も待たせることになった国境検査が廃止された。「交通はスムーズに流れている」と警察のフランク・フィッシャー広報担当は水曜日フュルステンヴァルデで述べた。しかし今後もこの状態が続くかは、なお様子を見ないと分からない。というのは1月中旬以降トラック運輸の増加を見込む必要があるからだ。「だが私たちは将来も渋滞がずっと減ると考えている」とフィッシャー広報担当は語った。これによりこの区間の安全性も高まるものと予測される。2007年にはわずか50kmの区間で7人が亡くなっている。警察によれば事故は83件に及び、そのうち47件はトラックが関与している。
製紙会社のライパ・ゲオルク・ラインフェルダーも、国境検査の廃止を目に見える負担軽減として歓迎した。「これで計画の確実性が高まる」とペーター・プロープスト取締役は述べる。同社はブカレスト、シュローベンハウゼン、シュヴェト・アン・デア・オーデルに支店を持ち、年間のべ2,500台のトラックでポーランドに製品を輸送している。同社は期日どおりの納品が欠かせないという。
ブランデンブルク州のブリュッソウで不動産業を営むポーランド人のモーニカ・レーナルトも国境開放を肯定的に評価する。国境近くのブランデンブルク州ウッカーマルクで、空家をポーランド人に斡旋しているレーナルトは、「関心の高まりを感じる」と述べる。ポーランドでは国境検査の廃止が大々的に報じられ、「以前は電話の問い合わせが1週間に1件などという時もあったが、12月21日以降は1日に5回かかってくることもある」と言う。
しかし新たな移動の自由を活用するのは招かざる客も同じである。東ブランデンブルクのドイツ連邦警察は、国境開放以来不法にドイツ入国を試みて逮捕された者の数はほぼ80人に及ぶと発表した。この中にはポーランドで難民申請を行なっている者が多数含まれるという。
連邦警察のロストック管区では、ポーランドのシェンゲン協定加盟以来、不法入国の廉で28人のロシア人が逮捕された。そのうち2つのケースは、大晦日の直前シュテティーン−ベルリン間のアウトバーンA11で、ポーランドのタクシーに乗ったロシア人計10人（うち子ども4人）が検挙された事件である。2人のロシア人は難民申請者住宅に送還され、他の者に対しては強制退去のための拘留が申請された。
アンクラーム警察本部の広報担当は、12月21日以降犯罪についても通行車輌数についても特段の変化は見られないと述べた。シュトラールズントの中央税関もまったく変化はないと発表した。ドイツ連邦内務省も検挙者数に顕著な増加は見られないとしているが、確実な数字は1月10日に発表するという。
しかし警察組合（GdP）のヨーゼフ・ショイリング連邦警察部委員長は危惧が的中したと見ている。「政治家は否定したが、私たちはこうなるものと予期していた」。これまでは第一波に過ぎす、今後さらに増加するものと予測される。「不法入国は一種の商売であり、犯罪組織がこれをほぼ一手に引き受けている」とショイリング連邦警察部委員長は述べた。
「不法入国請負業者は差し当たりどのような可能性があるかを探っているところだ」。ショイリング連邦警察部委員長は2500人の警察官が東部国境から立ち退く事態に危惧を表明した。これはブランデンブルク州だけでも半数の警察官が撤退することになる。人員を立ち退かせる前に、まず状況の推移を見守る必要があるとショイリングは主張した。
しかしブランデンブルク州警察は、国境地帯での犯罪の増加はまったく認められないとしている。12月21日以降も状況は普段どおりである、とフランクフルト・アン・デア・オーデル警察署のペーター・ザーレンダー広報担当は述べる。むしろ国境地帯でパトロールを頻繁に行なうなど、警察官の存在感が高まり、抑止効果が生まれる可能性があるとの見解を表明した。「これは、多くの警察官がパトロールしていたため、窃盗や傷害事件がほとんど起きなかった2006年サッカー・ワールドカップの時と同じである」とザーレンダー広報担当は説明している。
原題：Weniger Staus an der deutsch-polnischen Grenze