2008年1月11日(金)20:54

不法入国者 (論説)

           

アレクサンダー・フォン・ゲルスドルフ

(ライニシェ・ポスト紙 Reinische Post)

開放された国境は安全でない国境である。年間1万人以上の人間が東欧から「黄金の西欧」に不法入国を果たしている。12月21日の旅券検査の廃止以来、不法入国者にとってドイツに来るのはさらに容易になった。人身売買や自動車泥棒の犯罪グループにとって、シェンゲン協定の適用拡大は文字どおりクリスマスプレゼントとなった。

しかし、ポーランドとチェコに通じる国境の完全開放は、正しい時点での正しい施策である。ほかならぬアメリカ合衆国がメキシコとの国境の柵をいよいよ高くし、検査を日々強化している時期に、EUはその反対のことを行なっているのだ。すなわち、すべての欧州市民にエストニアからポルトガルまで完全な移動の自由を保証するというのである。

ドイツ・ポーランド国境での数キロメートルに及ぶトラックの渋滞は、一夜にして解消された。これは少なからぬ意味を持つ。なぜならポーランドはドイツの輸出産業にとって巨大な中国よりも重要であるからだ。

品物やアイディアが自由に行き来するという国境開放の恩恵は、ごく少数の不法入国者による損害を何倍も上回る。ちなみにその不法入国者のうち、犯罪者はごく一部なのである。EUとりわけドイツはこの決定を誇ってよい。

原題:Rheinische Post: Illegale Einwanderer Kommentar

VON ALEXANDER VON GERSDORFF

Originaltext: Rheinische Post

Digitale Pressemappe: http://www.presseportal.de/pm/30621




ホームへ戻る