2008年1月11日(金)16:16
ベルリン(ドイツ通信社dpa)
3週間前の国境検査の廃止以来、警察が逮捕したポーランドおよびチェコからの不法入国者の数は増加した。
12月21日以来ドイツの東部国境で425人の不法入国者が逮捕された、とドイツ内務省の広報官は金曜日ベルリンで発表した。ドイツ警察労働組合(GdP)は、十分な予防措置を講じなかったとして連邦内相と各州内相を非難した。
内務省の広報官は、12月21日以来614人の不法入国者が東部国境で逮捕されたというビルト紙Bildの報道を否定した。「ミッテルドイチェ・ツァイトゥング」紙Mitteldeutsche Zeitungは、12月21日から1月2日までの間にポーランドとチェコからドイツに不法入国を図ったケースが330件にのぼると報じた。
増加は顕著なものではないと内務省の広報官は、ビルト紙と同様に連邦警察の統計を引き合いに述べた。同紙はまた、1253kmのドイツ東部国境で逮捕された不法入国者の数は、シェンゲン圏拡大前の2007年上半期全体ではわずか484人に過ぎないと報じている。広報官はこの比較の数字に疑念を述べたが、別の数字を挙げることはしなかった。連邦警察はコメントしていない。
国境警察は国境地域のパトロールを強化している。そのため逮捕者の数が増えているのだ。不法入国者はチェチェンから来た人々か、すでにポーランドやチェコで難民申請を行っている人々が多く、これが過半数を占めている。こうした難民申請者は容易に隣国に送還することができる。国境地域の警察官は新たな状況に対応している、と内務省の広報官は語った。
これに対し警察組合(GdP)は「深刻な状況」であると警鐘を鳴らした。国境開放は時期尚早だったのだ。連邦警察による国境検査体制は、当初の計画のように縮小してはならない。逮捕されているのは不法入国者のごく一部に過ぎない。大多数がベラルーシから国境を越え、ポーランドに入っているものと予想される。本来はウクライナから来ているものも多い、と警察組合は警告した。
ヴォルフガング・ショイブレ連邦内相(キリスト教民主同盟CDU)は、犯罪率は上昇していないという各州からの報告があると指摘した。これより前、ブランデンブルク州のイェルク・シェーンボーム内相(CDU)は「犯罪状況には特段の変化は認められない」と述べている。またメクレンブルク・フォアポンメルン州の内務省も、国境検査の廃止以降、犯罪率の上昇は見られないと発表している。
原題:Regierung: Nur leichter Anstieg bei illegalen Einreisen