2008年1月28日(月)12:49

セルビアとの安定連合協定締結は延期

ブリュッセル(AFP)

大統領選挙の決選投票を控え、セルビアの欧州連合へのさらなる接近は当面阻止された。ブリュッセルで開かれたEU外相理事会では、オランダがセルビアとの安定連合協定(SAA)の締結に反対した。EUは同協定により来る日曜日の決選投票を前に、親EU派のボリス・タディッチ現大統領に明確な支援のシグナルを送るつもりであった。同協定はEU加盟の第一歩と見なされている。協定の締結にはEUの全会一致の承認が必要である。

EU議長を務めるスロヴェニアのディミトリ・ルーペル外相はブリュッセルで、セルビアに対して「肯定的なメッセージ」を送るよう主張した。大統領選はセルビアの路線を左右する重要な選挙と見られている。およそ1週間前の第1回の投票では極右民族主義派のトミスラフ・ニコリッチ候補が僅差で勝利した。同候補が日曜日の決選投票にも勝った場合、EUはセルビアがEUから離反するのではないかと懸念している。

しかしオランダは他のEU加盟26ヶ国が希望したタディッチ支持の明確なシグナルを阻止した。「私たちは協定に調印するつもりはない」とオランダのフランス・ティメルマンスEU担当相はブリュッセルで述べた。オランダ政府はその前に、戦犯容疑者のラトコ・ムラディッチの身柄を旧ユーゴ国連戦犯法廷に引き渡すよう強く主張している。ムラディッチ容疑者は1995年のスレブレニツァの虐殺などの責任が問われている。この事件ではおよそ8000人のボスニア系ムスリム人が殺害された。オランダのマクシム・フェルハーヘン外相は、この「恐ろしい犯罪」を償うことが必要だと強調した。

欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員はオランダに対して、調印に同意するよう強く迫った。セルビア政府は「戦犯法廷との全面協力に近づいている」と同委員は述べた。ハヴィエル・ソラーナEU外交安全上級代表も協定の調印を求めた。

しかしたとえ親EU派のタディッチ大統領が再選されたとしても、EUはジレンマに立たされる。というのも、両候補ともセルビアのコソボ自治州の分離独立をきっぱりと拒否しているからである。コソボのハシム・サチ首相は来週以降独立を宣言するものと見られている。ドイツなど一連のEU加盟国はアメリカ合衆国の承認を待って承認する意向である。

原題:Annaeherung der EU an Serbien blockiert




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