2009年1月1日(木)16:32
ブラティスラヴァ(ドイツ通信社dpa)
スロヴァキアは旧東欧圏で最初のユーロ導入国となった。新年のスロヴァキア・コルナから欧州共通通貨ユーロへの切り替えはスムーズに行われた。ユーロ圏はスロヴァキア国民約540万人を加え、およそ3億2900万人に拡大した。
ユーロの16ヶ国目でのスタートは共通通貨の誕生10周年とも重なった。ユーロは1999年1月1日に決済通貨として導入され、その3年後に硬貨と紙幣の流通が開始された。
隣国チェコは今年11月1日にユーロ導入のタイムスケジュールを発表する意向である。これはミレク・トポラーネク首相が発表したものであるが、首相は期日目標には言及しなかった。専門筋はチェコのユーロ圏加盟は安定条約の規定を守らねばならないため、早くとも2012年になると予測している。チェコとスロヴァキア両国は20世紀にはチェコスロヴァキアとして一つの国を形成していた。
欧州委員会はスロヴァキアのユーロ導入を称賛し、目下の情報によれば中欧スロヴァキアにおけるユーロへの切り替えは順調に進行していると伝えた。
社会民主党系のロベルト・フィツォ首相や他の有力政治家はマスメディアの前で、大晦日の深夜直後に現金自動預払機からユーロ札を引き出して見せた。自動預払機の故障は最大の懸念材料であったが、杞憂に終わった。しかし銀行は休日にもかかわらず、元旦に全国で窓口を開けて万一の対応に備えた。
しかし全国ほぼすべてのガソリンスタンドは、ユーロ切り替えへの不安から、少なくとも大晦日の午後から元日の昼過ぎまで営業を停止した。地方の中小の商店の中にも、用心のため休業するところもあった。
1月16日まではユーロ、セントと並んでスロヴァキア・コルナによる店頭での支払いが可能である。しかしそれ以降はコルナの交換は銀行窓口のみとなる。交換レートは1ユーロに対し30.1260コルナである。
当面のユーロ札はオーストリアから貸し出された。硬貨だけはすでにスロヴァキアで鋳造されたものが流通している。鋳造は1329年にドイツ人入植者によって建設されたクレムニツァ(クレムニッツ)という、現役の鋳造所としては世界最古の鋳造所で行われている。
国際的な金融危機の中、今回の通貨切り替えがスロヴァキアにとって絶好のタイミングであったことは、スロヴァキアおよび世界の経済専門家が等しく認めるところである。すでに2008年7月のユーロとコルナ間の為替レートの決定により、スロヴァキア・コルナはチェコやハンガリー、ポーランド、ウクライナのような隣国の通貨と対照的に為替投機の対象から免れた。
したがって最終的にはスロヴァキア国民の通貨切り替えに対する支持率も著しく高まった。12月には国民の3分の2がユーロ導入を支持するに至った。しかし夏の時点では賛成は反対を辛うじて上回るに過ぎなかった。
欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はブリュッセルで、ユーロによりスロヴァキアは経済危機克服に向けた欧州の共同作業に参加し、その恩恵に与る立場に置かれることだろうと強調した。「ユーロ圏への加盟によりスロヴァキアは、雇用創出と成長を実現し、インフレを抑えるという長期的な潜在能力を高めたのだ。」
スロヴァキアは東欧の経済同盟である経済相互援助会議(COMECON)の旧加盟国として初めてユーロを導入した。導入の2009年1月1日はスロヴァキア独立16周年の記念日に当たる。
原題:Slowakei ist erstes Ex-Ostblockland mit Euro