2009年1月19日(月)
AFP
トルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相は4年ぶりにブリュッセルのEU本部を訪問し、トルコのEU加盟交渉の促進を主張した。私は2009年のトルコEU加盟協議が「一段階前進する」ことを期待していると首相は語った。交渉への圧力としてエルドアン首相は、トルコ国内を通るEUのガスパイプライン計画「ナブッコ」に言及した。2005年10月に開始されたトルコとの加盟交渉は現在停滞している。
加盟協議はトルコでは「高い優先順位」が与えられているとエルドアン首相は述べた。新聞報道によれば、首相はトルコ人の前で、私は半年間のEU議長国任期につき3から4の分野が新たに交渉を開始されるよう望んでいると語ったという。これまでのところ新たな分野の交渉開始は一つの任期につき2つに留まっている。
これまでに交渉が開始された分野は全35分野中10分野のみである。しかしトルコ政府は2013年末までにEU加盟のすべての条件を満たす意向である。とりわけトルコによるキプロス共和国の非承認やトルコ国内の民主的改革の停滞が加盟交渉の妨げとなっている。加えてトルコの加盟についてはEU加盟国の間で異論が多い。
しかし最近エルドアン首相は、再びEU加盟プロセスに一層の努力を行う意向を示唆している。たとえばエゲメン・バギス外交顧問官を新たなEU加盟交渉担当官に任命し、同時にトルコ初のEU担当相に就任させている。
いまだ交渉が開始されていない分野の一つにエネルギー問題がある。この件ではとりわけキプロスが交渉開始に懸念を表明している。この異議を踏まえてエルドアン首相はブリュッセルで、およそ3300キロメートルにおよぶ石油パイプライン「ナブッコ」の建設をボイコットすると警告した。「もし再びエネルギー分野の加盟交渉が阻止されるような状況に陥るならば、私たちは自らの姿勢を再考するつもりである」とエルドアン首相はナブッコ計画を踏まえて語った。EUエネルギー政策の鍵となるこの計画は、カスピ海の天然ガスをロシアを迂回しヨーロッパへ輸送するもので、これによりEUのロシアに対するエネルギー依存を断ち切るものである。
しかし欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はエルドアン首相との協議を終えて、エネルギー分野の交渉をナブッコ計画と結びつけることを拒絶した。エネルギー確保の問題は加盟交渉の枠内で議論するものではないとバローゾ委員長は語った。
原題:Ankara will Beschleunigung des tuerkischen EU-Beitritts